強い雨の中での戦いがここ3試合続いた東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。すでに3位でのプレーオフ進出が確定したとはいえ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)との最終節ではしっかり『結果』を出し、晴れやかな気持ちでプレーオフトーナメント準決勝へとつなげたい。

なかでも、明確な『数字』で結果を示したいのはリーグ1位の18トライを誇るウイングの尾崎晟也。オフから取り組んできたトレーニングの成果を「トライ王」というタイトルの形で明確にしたい。 「シーズン終盤になってもスピードが落ちにくいのは、プレシーズンからやってきた走り方の強化、筋肉系を強化した部分がしっかり生きているから。また、昨季までシーズン終盤は体重が1〜2kg落ちていたんですけど、今季はずっとキープできている。それも、いい体調管理ができている証拠だと思います」

ジャパンラグビー トップリーグ時代も含め、シーズン最多トライのリーグ記録は『20』。今季の尾崎晟は残り4節を残した時点で18トライを決め、記録更新は射程圏と思われていた。だが、そこから3試合連続で雨の中での試合という不運もあり、トライ数を伸ばせていない。

それでも「最後にハットトリックができればニューレコードも見えてくる」と記録更新をあきらめていない。奇しくもS東京ベイには15トライでランキング2位につける木田晴斗がいる。ポジション的にもマッチアップする可能性が高い相手の前で、有終の美を飾りたい。

また、チームとしての成長度を計る上でも、S東京ベイ以上に最適な相手はいない。4カ月前の開幕戦で敗れた相手であり、しかもプレーオフトーナメント準決勝で戦う可能性が高いとあって、なおさら「勝利」という結果でリーグ戦を終えたい。

フルバックとして尾崎とともにバックスリーを形成することが多い松島幸太朗は「ここまで来たらトライ王にしてあげたいですよね」と尾崎晟にエールを送りつつ、最終節の重要性についても語る。

「第1節は、チーム内の戦術理解度がそろわず、やりたいことができなかった。あの時と比べれば、もう自分たちは違うチームになっている。成長した証を見せられれば、相手はイヤなイメージを持ってプレーオフを戦わざるを得ない。(次節は)準々決勝というイメージでやるだけです」