第7節 BL東京 vs 東京SG-東京SG見どころ
実力拮抗の『府中ダービー』、復調の松島幸太朗が敵陣を切り裂く

ジャパンラグビー トップリーグ時代は優勝5度ずつの名門同士、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)と東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)。ともに東京都府中市に拠点を構える両チームの戦いは「府中ダービー」と呼ばれ、これまで幾度となく名勝負を繰り広げてきた。
2月5日、秩父宮ラグビー場を舞台に、伝統の「府中ダービー」今季第1ラウンドの幕が上がる。
トップリーグ以降の通算対戦成績は、東京SGから見て14勝15敗。リーグワン初年度の昨季はレギュラーシーズンが1勝1敗、プレーオフ準決勝では東京SGが接戦の末に勝利と、まさに一進一退だった。今季も第6節終了時点で、東京SGが3位。BL東京が4位。プレーオフ進出を懸けたトップ4の座を争う上で、是が非でも負けられない一戦だ。
そんな因縁のライバルとの戦いを前に、東京SGが誇るトライゲッターもいよいよ本領を発揮しつつある。日本代表でも活躍する松島幸太朗だ。
前節、自陣20mライン付近でターンオーバーしたボールを受け取った松島は、軽快なステップと技アリのパスフェイクを駆使して80mの独走トライ。松島自身、「本能のままに。自分で行けると思ってちゃんと走り切れた。自分にとってもプラスになった」と振り返る“らしい”プレーでファンを沸かせた。
このプレーで思い出すのは、2011年の全国高校大会、通称・“花園”の準決勝。桐蔭学園高校時代の松島が自陣ゴールライン手前から相手ゴールラインまで、約100mを独走するトライを決め、伝説となったシーンだ。松島自身、「(ここまでの距離を走ってのトライは)あの時以来だと思います」と振り返るロングランは、コンディションが上がってきた何よりの証拠と言える。
BL東京戦の松島といえば、トップリーグ時代の2020年1月、股下を通して20mのロングパスを決めて話題になったシーンを思い出すファンも多いはず。ああいった極限プレーが生まれるのも、注目度の高い「府中ダービー」の緊迫感がなせる技だろう。
■そんな伝統の一戦に向け、松島の意気込みは?
「いま、個人としてもチームとしても、すごくいい雰囲気でラグビーができています。BL東京はタフなチームなので、80分間気を緩めず、しっかり我慢してアタックしていくイメージでやっていきたいです」
(オグマナオト)