プロレスで例えるならスタン・ハンセン対ブルーザー・ブロディ、あるいは小橋建太対佐々木健介、もしくはビッグバン・ベイダー対スコット・ノートン。とにかく、そんなニュアンスの対戦カードなのである。

今季は負けなしの7勝1分。ホストスタジアムの江戸川区陸上競技場、通称「えどりく」では13連勝と快進撃を見せるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)。2月25日はその「えどりく」で昨季4位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)を迎え撃つ。

注目すべきはフォワード対決。15人で構成されるラグビーチーム。フォワードとはスクラムを組む8人で、バックスがチームの「上半身(手足)」ならば、フォワードは力強く前進するための「下半身(足腰)」。その足腰の強さがチームの有利性を確立する上での武器になっているのが、次節に直接対決を控えるS東京ベイとBL東京だ。

フォワードの選手の合計体重は約900㎏。スクラムではクロサイ約1頭分、ヒグマなら約3頭分のウエイトが正面からぶつかりあう。

昨季のプレーオフトーナメント3位決定戦で両チームは対戦。序盤、リードを許したS東京ベイだったが、突破口となったのが“足腰”での真っ向勝負。スクラムから反撃の糸口をつかんだS東京ベイは逆転に成功。結果、23対15でハードヒッティングな戦いを制した。

相手のBL東京には譲れぬプライドがある。「我ら、接点無双、猛攻猛守の紳士なり」。BL東京のチームスピリットを表現した言葉だ。コンタクトでは、負けられない。昨年の対決から約9カ月。復讐のときが、ようやく訪れた。

事実として、この世にはラグビーに関心を示さない人が多数存在する。ラグビー観戦に食指が動かない理由の一つに、おそらく「ルールが難しそう」というものがある。確かに、ラグビーのルールは難解で、初心者には分かりづらい。しかし、プロレスなどと同様に、ルールに詳しくなくても楽しめるところが、ラグビーの大きな魅力でもある。最初は「トライを決めたら5点」「そのあとゴールキックを決めたら2点」など、得点方法を把握しておくだけでも十分だ。

次節の「えどりく」では、観る者の五感を刺激する超肉弾戦が繰り広げられることは必至。それは球技というより、もはや総合格闘技ならぬ“集団格闘技”。ファンならば、ピーター・ラピース・ラブスカフニとリーチ マイケルの日本代表フランカー対決も見逃せない。ラグビーを、初めて観るなら、この試合!