三重ホンダヒート
1961年に本田技研工業のラグビー部として創部し、現在は三重ホンダヒートとして三重県鈴鹿市を拠点に活動している。
リーグワンの前身であるトップリーグには2009年に初めて昇格。その後、昇降格を繰り返したが、18-19、21-22シーズンはトップリーグ9位と、チーム史上最高の結果を残した。
D2からのスタートとなったリーグワン元年の昨季はレギュラーシーズンを7勝3敗で終え、1位~3位の順位決定戦の結果、2位に。NECグリーンロケッツ東葛とのD1/D2入替戦では2戦して1勝1敗だったが、2試合合計勝点の差で敗れ、あと一歩のところでD1昇格を逃した。
日本代表6Capを持つ上田泰平ヘッドコーチが指揮を執って2年目となる今季は、悲願達成のため国内外から大型補強を敢行した。
アルゼンチン代表で91Capを誇り、15、19年のラグビーワールドカップに出場、19年のワールドカップでは代表キャプテンも務めたバックロー(FL /No8)のパブロ・マテーラ。それにワラビーズ(オーストラリア代表)で20Capを持つオーストラリア屈指のFB/WTBトム・バンクスという2人の世界的ビッグネームを招へい。
さらに、15年のワールドカップに出場、さらに7人制の日本代表として東京五輪でもプレーしたWTB/FB藤田慶和を獲得。ほかにもPR/HO金井健雄など、昨季、若く脆さもあったチームに、精神的支柱として豊富な経験の伝達者となる選手が加入した。
19年のワールドカップ覇者であるスプリングボクス(南アフリカ代表)のLOフランコ・モスタートも20年から在籍している。どのポジションでもワールドクラスのプレーを見ることができるのが、ヒートのラグビーだ。役者はそろい、D1昇格に向けて「勝負どころで勝ち切ること」(藤田)だけ。積極的に展開していく攻撃的な『エキサイティングラグビー』を掲げるチームがどれだけ三重を“熱く”できるのか、期待は高まる。
(小崎 仁久)