豊田自動織機シャトルズ愛知
豊田自動織機シャトルズ愛知は1984年に創設された、愛知県をホストエリアとするチーム。『シャトルズ』の由来は、母体となる豊田自動織機の社祖・豊田佐吉が発明した自動織機に用いられた部品『シャトル』からとったもの。たて糸を選手一人ひとり、よこ糸をチームの絆・結束に見立て、選手同士が強い絆によって結ばれているイメージから名付けられた。
今季のチームは、まさに『シャトル』そのもの。D3に所属した昨季は、プレーオフを含め12戦全勝(不戦勝含む)という圧倒的な成績でD2昇格を果たした。その体制を基盤に今季は新たに15人の選手を加え、ノーサイドまで走り切る力、勇気をもって体を張る力をプレシーズンマッチで蓄えてきた。キャプテンのPR山口知貴も「いいものが準備できた」と自信満々だ。目標はもちろん1年でのD1昇格。さらには近い未来の日本一を狙う。D2の舞台でS愛知のラグビーがどれだけ通用するか注目したい。
チームを引っ張る山口は「ウチは各国の代表選手や大学のスーパーエースを獲得できるチームではないが、いまある資源の中で上に立ちたい」と、チームの総合力を武器に戦う姿勢を強調。今季のスローガンを『BRAVE CHOICE(勇敢な選択)』とし、試合の行方を左右するような場面での精神力、決断力をチームとして重要視する。
そのための核となる選手として、新加入のLO/FLジェームズ・ガスケルの名前を挙げたい。ラグビーの母国・イングランド出身の32歳で、長く国内リーグでキャリアを積んだ実力者だ。「経験豊富であり、走り続けられる。ブレイクダウンやディフェンスも激しい」と山口は高く評価。今回が初めての国外リーグ挑戦となるガスケルだが、「チームにコミットしようとする意識やリーダーシップを感じる」(山口)と、異国の地でも積極的に溶け込もうとしているようだ。
昨季の実績、さらにプレシーズンマッチの充実ぶりをみると、期待感は増すばかり。D1昇格という目標達成はもちろん、愛知のラグビーを盛り上げるような活躍に期待したい。
(斎藤 弦)