静岡ブルーレヴズ
『REV UP!(エンジンの回転を上げる)』
静岡ブルーレヴズが掲げる今季のスローガンだ。
昨季は8位という不本意な成績に終わったが、戦いながら選手もチームも大きく成長できたという手ごたえがあった。だからこそ、さらに回転力を上げて、成長を加速させていくという意味を込めている。世界的なオートバイメーカー、ヤマハ発動機を親会社とするチームらしいスローガンでもある。
そして、加速を続けた成果として目指すのが「日本一」という高み。昨季の後半戦では上位チームにも遜色ない戦いができるだけの力を見せ、今季はそこに頼もしい新戦力が加わった。決して無謀な目標ではないと選手たちも感じている。
そんな静岡BRのラグビーには、前身のヤマハ発動機ジュビロ時代から引き継いでいる伝統的な武器がある。スクラムやラインアウトといったセットプレーの強さだ。屈強なFW陣がスクラムやラインアウトで優位に立ち、それを起点にグイグイと相手を押し込んでいく。
また「BKにもブリン・ホールら新しい選手が入っている。BKから展開するラグビーもぜひ見てほしいです」とキャプテンのFB/WTB奥村翔は言う。
SHブリン・ホールは、ニュージーランドの常勝軍団・クルセイダーズから今季加入。優勝経験も豊富な彼が静岡BRをどうコントロールしていくかが注目される。奥村も、ヤマハ時代のレジェンドである五郎丸歩氏の後継者と期待されており、彼のキックも見どころの一つとなる。
そのほかにも、2019年のラグビーワールドカップで優勝した南アフリカ代表の一員であるNO8/FLクワッガ・スミス共同キャプテンをはじめ、日本代表のHO日野剛志、LO/FL大戸裕矢といった代表選手もそろう。新加入組では、外国籍選手も日本人選手も実力者ばかりだ。
昨季は開幕から3試合が新型コロナウィルスの影響で中止になったことが非常に痛かったが、今季は開幕から全力で入ることができる。ラグビーの質でも戦力でも、静岡BRが躍進する準備は十分に整っている。
(前島 芳雄)