トヨタヴェルブリッツ
愛知県豊田市に本拠を置くトヨタヴェルブリッツ。リーグワン初年度の昨季はD1で5位と、上位4チームで争うプレーオフトーナメント進出にあと一歩届かなかった。今季はそのプレーオフ進出はもちろん、タイトルを狙うシーズンになる。
今季から指揮を執るのは、日本代表などでも指導経験のあるベン・へリングヘッドコーチ。ニュージーランド出身の42歳で、日本の歴史や文化にも造詣の深い人物だ。80年を超える歴史を持つ『トヨタラグビー』に、より一層の深みと新たな風を吹かせてくれるに違いない。
メンバーも充実している。最も注目されるのは、日本で開催された2019年のラグビーワールドカップにて“ジャッカル”で一躍有名になったNo8姫野和樹だろう。現在も日本代表の中心選手としてチームを引っ張る姫野だが、トヨタVでは同じく日本代表のFL古川聖人と共同キャプテンを務めており、チームの精神的支柱とも言える存在だ。最近ラグビーに興味を持ち始めたという方は、姫野のプレーを中心に見てもらうと、その魅力が伝わるだろう。
世界各国の一流選手が集まっているリーグワン。今季、トヨタVにも“超”が付く一級品の選手がやってきた。ラグビーの母国イングランド代表のLOジョー・ローンチブリー。15年と19年のワールドカップに2大会連続出場している31歳で、同国の年間最優秀選手に選出されたこともある実力者だ。198cm126kgのLOが、伝統的にフィジカルの強さを誇るトヨタVをさらにパワーアップさせる。
共同キャプテンの古川は、「まずはチームとして、ファンのみなさんを大切に、もっとみなさんが楽しんでいただけるような環境やイベントを選手からも発信していきたい」とファンファーストを宣言。その上でプレー面では「一つひとつ、目の前の試合に勝っていくのが目標。キャプテンとして先頭に立ってチームの方向性を示していければ」と、積み重ねが大切だと語る。一歩一歩着実に、トヨタらしく地域と一体となってタイトル奪取を目指す。
(斎藤 孝一)