2025.04.03[S愛知] 復帰戦で兄貴分との再会へ。古巣戦は本人だけでなく、迎え入れる側も特別なもの

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第10節
2025年4月5日(土) 12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 九州電力キューデンヴォルテクス

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知の中野豪選手。世話になった九州電力キューデンヴォルテクス・村川浩喜選手との対戦を楽しみにしているという

7連勝中の首位・豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)が6位・九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)をウェーブスタジアム刈谷に迎える一戦。今節を含めて残り2試合となったホストゲームで、多くの地元ファンを喜ばせるような躍動を期待したい。

勝負のD1/D2入替戦まで、残り5試合。もちろんまだ入替戦進出を決めたわけではないが、「ディビジョン1に昇格することを見据えたときに、まだまだ足りない部分は多い」と徳野洋一ヘッドコーチは語る。D1のチームと本気でぶつかり合うことができるのは、入替戦の2試合だけ。言わば“ぶっつけ本番”のような形になるが、それまでの戦いでいかに自分たちにフォーカスし、成長を遂げられるか。残された時間は長いようで短い。

今節のトピックに挙げられるのが、昨季までS愛知に在籍していた九州KVの村川浩喜の古巣戦。9シーズン在籍した村川との再会を誰よりも心待ちにしているのが、中野豪だ。第4節のNECグリーンロケッツ東葛戦以降けがで離脱していたが、偶然か必然か、この試合で復帰を果たす。

「すごく楽しみです」と笑顔を見せて話してくれた中野。村川については「面倒見がいい先輩です。グラウンド外のところでチームを支えてもらっていました」。S愛知では年長者ながらチームのムードメーカー的存在で、中野をはじめ多くのチームメートに愛されていた。

ポジションや年代も異なるが、「お互いお酒をよく飲んでいたので、そこで仲良くなりました。毎週のように浩喜さんの家に行って、家族ぐるみで付き合いがありました」。兄貴分のように慕っており、いまでも連絡を取り合うという。

「慣れ親しんだ刈谷で、一緒のグラウンドに立てるのがうれしいです。ただ試合になれば、チームのためにプレーする姿勢は変わりません。活力を与え続けて、勝利に貢献したいと思います」

古巣戦は本人だけでなく、迎え入れる側にとっても特別なものになる。誰にとっても思い出に刻まれるような、素晴らしい試合になることを願う。

(齋藤弦)

2025.04.03[九州KV]「ある意味、自分にとってホストゲーム」。感謝の思いを胸に挑む古巣戦

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第10節
2025年4月5日(土) 12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)


九州電力キューデンヴォルテクスの村川浩喜選手(写真中央のボールキャリア)は今節の対戦相手、豊田自動織機シャトルズ愛知に昨シーズンまで在籍していた



前節、レッドハリケーンズ大阪に勝利し、連敗を3で止めた九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)。今季2度目の連勝を目指して、今節は首位を走る豊田自動織機シャトルズ愛知とのビジターゲームに臨む。

「知っている顔ばかりだし、試合をするというよりは練習のアタック、ディフェンスをするような感じになるんじゃないかなと自分では思っています(笑)」

そう笑顔で話すのは村川浩喜だ。筑波大学を卒業後、2015年に豊田自動織機シャトルズ(当時)に加入し、昨季までプレーしていた村川にとって今節は初めての古巣戦となる。古巣への思いを聞いた際、冗談めいて前述のように話したことからも分かるように気負いは見られない。

「楽しみな気持ちはあります。思い入れが強くなる試合になるのかなと思っていたけど、いまのところ、そこまで気持ちの昂りはないです」

試合が近づくにつれ、思いは芽生えていくのかもしれない。ただ、長いキャリアを誇る村川にとっても初めての経験となるだけに実感が湧かないのだろう。

「ある意味、自分にとってホストゲームなのかなと思っています」とさらに笑顔を重ねていくのも、そういった思いがあるからかもしれない。

試合では、ともにスクラムを組んできた仲間たちと今度は肩をぶつけ合うことになる。

「スクラムのときに『ああしよう、こうしよう』と意見を言い合ってきた選手たちが今回はライバルになる。こうやってくるだろうなという相手の特長も分かりつつ、こっちがどうやって上回っていくのか。スクラムでどういった結末を呼び込めるのかはすごく楽しみ」

今季から九州KVに加入し、生まれ育った福岡の地でプレーできる喜びを村川は日々、感じている。

「家族、親族が試合を観に来やすい環境になったことがすごくうれしい。チームにも高校から知っている顔もいるし、大学の同期もいます。心機一転じゃないですけど、昔の自分の感覚に戻れるのが新鮮だし、楽しい。このチームは小さいころから知っていて、憧れもありましたし、そのチームでプレーさせてもらうことには感謝しかない」

故郷に戻ってきて、感じられる原点。それも愛知での日々があったからこそ。村川は誰よりも感謝の思いをもってこの一戦に臨む。

(杉山文宣)

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