クリタウォーターガッシュ昭島
昨季のクリタウォーターガッシュ昭島は、チームOBでもあるワイクリフ・パールー ヘッドコーチの掲げる「ランニングラグビー」が徐々に浸透。レギュラーシーズンを5勝7敗の3位で終えて、入替戦に駒を進めた。入替戦では釜石シーウェイブスRFC(現・日本製鉄釜石シーウェイブス)と対戦したが2試合とも勝ち星を得られず、ディビジョン2昇格を逃した。
今季のチームスローガンは『Champion』。D3で1位になり、D2昇格を決めるのが目標だ。チームのストロングポイントは山村亮FWコーチを中心に強化を進めているスクラム。さらに今季から加わった和田裕介ヘッドS&Cコーチのもとで、これまで以上にフィジカルトレーニングを重ね、食事面でも一から見直した。
チームを引っ張るのは、キャプテンとして3年目を迎えるフランカーの石井洋介。バイスキャプテンにはフッカーの栗原良多とスタンドオフ林田拓朗、ピッチ外でのリーダー役となるクラブキャプテンはベテランのロック・中尾光男。4人のリーダー陣を中心にチーム強化を進めていく。
また、昨季まで主力として活躍した外国人選手の多くが退団し、選手補強の方針も大きく転換した。注目はサンウルブズやレスター・タイガース(イングランド)でも活躍した「トンガン・ゴジラ」ことホセア・サウマキ。さらには、元イングランド代表のピアーズ・フランシス、ジンバブエ出身のマイク・ウィリアムズ、ニュージーランド出身のテアレキ・ベン=ニコラスにも期待が集まる。新加入の外国人選手たちがいかに早くチームにフィットするかがシーズン戦い抜くためのカギとなる。
課題を挙げるとすれば、昨季D3のチームの中で最多だったペナルティ数とスクラムの安定だろう。まずはペナルティを減らすこと、そしてスクラムのスタンダードを一定にキープすること。そのうえで、D2昇格のためになんとしてもビジターゲームでの勝利が欲しい。D3のチャンピオンを勝ち取るための戦いがまもなく幕を開ける。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)
注目選手 ▶ 濱副慧悟
昨季はディビジョン3の個人スタッツで、ラインブレイク、ゲインメーターの2部門でトップ。2冠に輝いた快速ウイングは、その親しみやすい笑顔でも新たなファンを獲得した。濱副の武器は、強靭な下半身から生み出されるパワーと瞬間のスピードだ。高校時代からのスクワットで徹底的に鍛え抜き、1対1には絶対的な自信を持つ。「自分自身のトライには関心がない。その過程が大事なんです」。今季の目標は2冠に加えて「ディフェンス突破率」でもトップの3冠。目標達成の先にはD2昇格が待っている。