東芝ブレイブルーパス東京
昨季は名門復活を印象づけたものの、4位でシーズンを終えた東芝ブレイブルーパス東京。リーグワン2年目となる今季は勝負のシーズンとなる。
トッド・ブラックアダーヘッドコーチ体制が4年目を迎え、チームの一体感は増している。日本代表のNo8リーチ マイケル、LOワーナー・ディアンズらを軸にしたFWと、SOトム・テイラー、SO/CTB中尾隼太らゲームメークに優れたBKを擁し、自陣からでもSH小川高廣やWTBジョネ・ナイカブラらスピード豊かな選手たちがスペースを攻略する。選手の個性を生かしたサインプレーもオリジナリティーがあり、今季も一瞬も目を離せないラグビーになりそうだ。
ポイントになるのはスクラム、ラインアウトなどのセットプレーだろう。昨季はディアンズ、LOジェイコブ・ピアスの台頭もあって精度が上がったが、優勝のためにはさらなるレベルアップが求められる。橋本大吾らHO陣がFWを引っ張りたい。
今季はチームスピリットとして『猛勇狼士』という言葉を掲げ、世界有数のユニークなクラブを目指すと表明したBL東京。東芝府中グラウンドで有料のプレシーズンマッチを初めて開催するなど、ファンの存在を意識した改革はすでに始まっている。シーズン中もグラウンド内外で楽しむことができそうだ。
2015、19年のラグビーワールドカップで主将として日本代表を躍進に導いたリーチは「チームはいい準備ができています。目標はもちろん優勝です」と、リーグワン初制覇を見据える。シーズン終了後には23年のワールドカップが控えているが、リーチは「先を考えずに、まずはチームでいいシーズンを過ごすことを考えます。すべての試合に出ながら体を大きくしたい」と意気込みを語った。
前身のトップリーグ時代を含めると、09年度を最後に優勝から遠ざかっているBL東京。チームの連携をさらに深め、悲願の頂点を勝ち取りたい。
(安実剛士/スポーツナビ)