NECグリーンロケッツ東葛
NECグリーンロケッツ東葛は千葉県我孫子市を拠点に、柏市、松戸市、流山市、野田市、鎌ケ谷市の東葛地区と、隣接する白井市、印西市をホストエリアとして活動している。
近年は下位に沈む苦しい戦いが続き、リーグワン発足初年度の昨季もD1/D2入替戦の末、三重ホンダヒートを下して辛くもD1残留を果たすというシーズンを強いられた。ただ、「ゼロからのスタート」を唱えるチームは2021年より大幅な改革に乗り出しており、元オーストラリア代表ヘッドコーチであり、現アルゼンチン代表ヘッドコーチのマイケル・チェイカをディレクター・オブ・ラグビーとして招聘したほか、シドニー大学で指揮を執り、レスター・タイガースではアシスタントコーチを務めたロバート・テイラーがヘッドコーチに就任。さらに2019年のラグビーワールドカップでベスト8に進出した日本代表メンバーのSH田中史朗とWTBレメキ ロマノ ラヴァという“勝利のマインド”を持つ選手を加え、着実にチームの強化を進めてきた。
2022-23シーズンに向けても、実力のある新戦力が加わった。SHニック・フィップスは15年のワールドカップで準優勝に輝いたオーストラリア代表メンバーの一人で、72Capを誇る。正確なパスと高いディフェンス能力を兼備するワールドクラスのSHだ。WTBタンゲレ・ナイヤラボロは195cm130kgの巨漢ながらスピードに長け、力強いランで相手ディフェンスを突破していく。ワラターズ在籍時、2018年のスーパーラグビーでは15トライを挙げて、トライ王を争ったWTBだ。また、既存戦力ではここ1、2年で加入した若手選手たちの成長が著しく、今季キャプテンを務めるレメキも「若手は去年よりプロ意識が高くなった。このままいけば将来は日本代表になる選手が出てくるだろう」と彼らの活躍に大きな期待を抱いている。
新戦力の加入と若手の台頭によってチーム全体の底上げは進み、「確実に去年より強くなっている」(レメキ)と手ごたえは十分。チームの目標はトップ6入り。GR東葛にとって、今季は躍進のシーズンだ。
(鈴木 潤)