コベルコ神戸スティーラーズ
兵庫県神戸市をホストタウンとし、2021年のリーグワン始動に合わせて現在のチーム名に変更したコベルコ神戸スティーラーズ。チーム名は神戸製鋼グループの統一ブランドである『コベルコ』、ホストタウンの『神戸』、そして、ファンに広く親しまれる『スティーラーズ』を組み合わせたもの。かつては7連覇を飾るなど、その戦歴は燦然と日本のラグビー界に刻まれている。伝統を受け継ぎながら、新たな歴史を積み上げるスタートを切っている。
直近のリーグタイトル獲得はトップリーグ時代の2018-19シーズンで、リーグワン初年度となった昨季は7位と不本意な結果に終わった。直面した課題と向き合いながら挑む今季は、昨季から3カ月も早く新シーズンへ向けて動き出し、連係の向上、一体感の醸成など、強固な土台作りを進めてきた。
チームには確かな実力を備えた選手が多くいる。直近の日本代表の活動にはSO李承信、FB山中亮平、PR具智元、LO小瀧尚弘が参加。日本開催だった19年のラグビーワールドカップメンバーであるPR中島イシレリやCTBラファエレ ティモシーも所属する。
さらに他チームで確かな実績を持つCTBマイケル・リトルのほか、元ニュージーランド代表のCTBナニ・ラウマペや南アフリカ代表のNo8マルセル・クッツェーという大物選手、期待値の高い新卒選手などが加入し、チーム力を高めている状況だ。
そんな神戸Sのチームスタイルとは何か。主将のFL橋本皓、副将の中島とともにリーダーズを構成する副将の李承信は「どこからでも攻めることができるアタッキングラグビー。ボールがつながってグラウンドを広く使う、見ていてすごく楽しいラグビー、それが神戸ラグビーです」と自信をみなぎらせる。それを目撃した者は必ず“躍動感”の意味を知ることになるだろう。
2季目を迎えるリーグワンへ、李承信は「昨シーズンはなかなか納得いかないシーズンが続いたので、チャンピオンを目指して、しっかりと足元を見つめて過ごしていきたい」と照準を合わせる。4シーズンぶりの戴冠に燃える“赤”の雄姿に注目だ。
(小野 慶太)