三菱重工相模原ダイナボアーズ
相模原で発足した三菱重工相模原ダイナボアーズは、創立50周年という節目の昨季、D1/D2入替戦を制してD1への参戦を決めた。
これまでチームにとって入替戦は鬼門だった。2012-13シーズンから6回連続で失敗。2020シーズン、12年ぶりのトップリーグは、1勝5敗の時点でコロナ禍により中止となった。D2スタートのリーグワン初年度は、レギュラーシーズン1位。順位決定戦で苦しんで自動昇格を逃すも、土壇場でベテランHO安江祥光らがチームの立て直しに成功した。
チームカラーは粘り強いディフェンスだ。長年2部の強豪に甘んじてきたが、今季はD1の平均規模となる予算を編成し、『27年シーズンD1優勝』を目指す。
ヘッドコーチには、グレン・ディレーニーがディフェンスコーチから昇格。昨年より約1カ月早く始動し、「(吐き気を催す影響で)朝ごはんを二度味わう選手もいる」と形容するほどの猛練習で、高強度の戦いに備える。
新加入SOマット・トゥームアはオーストラリア代表59Cap、日本で開催された19年のラグビーワールドカップにも出場した。早い判断と広い視野で試合をコントロールできる世界的プレーヤーだ。「相模原の選手はハングリーでやりやすい。自分の持っているすべてをチームに捧げるとともに、私自身も成長したい」と意気込みを見せる。
同じく新加入、元オーストラリア代表のパワーランナーであるCTB/WTBカーティス・ロナは「プレーはもちろん、チームの育成と経験面でも力になりたい。私が次の世代を導き、例えばダイナボアーズの選手が日本代表として23年のワールドカップに出場できたら素晴らしい」とチームの未来を見据える。
「FWとBKが一体となってアタックしていくような面白いラグビーを見せたい」とSH岩村昂太キャプテンは話す。パワーアップした相模の原野を疾走する猪たち(ダイナボアーズ)は、フィールドを縦横無尽に駆け巡り、ひたむきに勝利に向かう。
(宮本 隆介)