
埼玉パナソニックワイルドナイツ
スター軍団に死角はない。昨季王者・埼玉パナソニックワイルドナイツが2連覇を狙って今シーズン開幕へ向かう。
昨季は開幕2戦がコロナの影響で不戦敗となるスタートだったが、その後に破竹の14連勝を果たした。14勝2敗でリーグ2位となり、プレーオフトーナメントへ進出。準決勝でクボタスピアーズ船橋・東京ベイを下すと、決勝では東京サントリーサンゴリアスを相手に激闘の末に勝利してリーグワン初代王者となった。
優勝カップを誰にも渡すつもりはない。2014年度からチームを率いる智将ロビー・ディーンズ監督はトップリーグ時代を含めて4度の優勝。成熟した戦略と抜群のマネジメント力で無敵艦隊を築き上げようとしている。
各ポジションには個性あふれる代表クラスの選手たちがひしめいている。チームをまとめるのは、日本代表でも主将を任されるHO坂手淳史。彼が船頭役となり、チームが一つになる。
19年のラグビーワールドカップで活躍した『笑わない男』ことPR稲垣啓太、ドレッドヘアの髪型がトレードマークのHO堀江翔太、昨季最終戦のケガから7カ月ぶりに実戦復帰を果たしたSO/CTB/FB松田力也、地元出身のSO/FB山沢拓也・京平の天才兄弟ら日本ラグビー界をけん引するスター選手がそろう。さらにワールドクラスの快速WTBマリカ・コロインベテ(オーストラリア代表)、南アフリカ代表のCTBダミアン・デアレンデと206cmのLOルード・デヤハーら各国代表がチームに迫力を加える。日本代表FL/No8ベン・ガンターは「われわれの強みであるディフェンスをベースに、カウンターを仕掛けていきたい。良い準備をしてシーズンへ挑む。一戦一戦、目の前の試合に全力を尽くすことが連覇へつながっていく」と気迫を見せる。
本拠地・熊谷が熱くなる季節がやってくる。「熊谷を日本一、世界一のラグビー聖地にしていきたい。ファンと共に戦っていく」(ロビー・ディーンズHC)。青の魂を宿した野武士たちは、練習拠点・さくらオーバルフォートに優勝カップを持ち帰る。
(伊藤 寿学)


