浦安D-Rocks
今季からチーム名を『浦安D-Rocks』とあらためた浦安DR。昨季はSA浦安は10位に沈み、D1/D2入替戦でも敗北を喫してまさかの降格。新チームはD2から再出発を期することになる。降格が「まさかの」と評されたように、もともと戦力には定評があった。今季はNTTラグビーチームを再編成したこともあり、豊富な選手層がまずは注目ポイントとなる。
そんな新チームのキャプテンを任されたのが、若干22歳のSH飯沼蓮。「強みはゲームコントールや試合のテンポを作るところ」と語る。大学時代から主将を務めてきただけあり、任命される前から「チームを変えていきたい、引っ張って行きたい思いもあった」と覚悟を決めていた。
その飯沼が尊敬してやまないのが「学生時代にテレビで観ていたスーパースターが隣で一緒に練習している。見習う部分が多いですし、本当にいいお手本が近くにいてくれます」と語る元スコットランド代表SHグレイグ・レイドロー。すでに代表は引退しているものの、技術の正確さや判断力はワールドクラス。練習に臨む姿勢からチームにいい影響を与えている。
彼らを筆頭に、FLヴィンピー・ファンデルヴァルトやCTBシェーン・ゲイツ、PR竹内柊太など現役日本代表選手のほか、各国代表の経験者を複数擁している浦安DR。ただ、開幕が間近に迫ったいま、キャプテンの飯沼は「チームの一番の強みは戦力ではない」と自信を深めている。
「勝つべくして勝つチームとなるべく、一つひとつの態度にプライドを持つ。強みはキツい時間帯でのアティチュード、ひたむきさです」
ヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチが課してきた厳しい練習と、寝食をともにした合宿の成果で、「昨季足りなかった、ラグビーの本質的な部分」(飯沼)を徹底的に積み上げてきた。ともすれば不安要素と思われがちな、合同チーム的な難しさもまったく感じてないという。
昨季の悔しさを胸に、まずはD1昇格を目指す浦安DR。ただ、彼らが基準としているのは、その先にあるD1優勝だ。
(沖永 雄一郎)