横浜キヤノンイーグルス
今季のシーズンテーマは『掴み取れ!』。リーグワン発足初年度となった昨季は、シーズン終盤の失速により、トップ4入りを果たせず。そのため、「絶対にトップ4を取る」(CTB梶村祐介)とチームの結束も固い。
悲願のプレーオフトーナメント進出へ──。雪辱を期すチームに、頼もしい新助っ人が加わった。その名も、SHファフ・デクラーク。3年前、母国のラグビーワールドカップ優勝に貢献した南アフリカ代表のSHだ。チームメートの梶村も「非常にエナジーがある選手」と期待を寄せる。強気のゲームメークと左足の正確なキックでリーグワンに新風を吹き込むことは間違いない。世界的スターの加入により、チームにどんな化学反応が起きるのか。楽しみは尽きない。
昨季の雪辱を期す新チームをけん引する存在が、今季から新キャプテンに就任したセンターの梶村。プレシーズンは日本代表の活動に参加していたため不在だったが、「代表での経験をしっかりとチームに還元していきたい」と本人の意思は強い。代表でもリーダー陣の一人に指名され、「どうやってチームをまとめるか学んできた」という。もちろん新キャプテンのマネジメントにも注目だが、梶村のストロングポイントは力強いランやフラットパス。CTBからどんなタクトを振るうのか。チーム不沈のカギを握る存在でもある。
また、2シーズン続いたキャプテンの重責を梶村に引き継ぎ、肩の荷が下りた格好のSO田村優も健在。「日本で一番スキルの高い選手」(梶村)であるSOは、経験豊富なベテランらしく、チームを下支えする。
チームを指揮する沢木敬介監督はトップ4入りを逃した昨季の反省を踏まえ、プレシーズンでは選手起用の幅を広げながら選手層の拡充を図っている。「ボールタッチが多く、いろいろなオプションを持っている」(梶村)フレキシブルなチームが、いかなる進化を遂げるのか。“新生・横浜E”の動向から目が離せない。
(郡司 聡)