横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

トップ4入りへ。リベンジマッチは譲れない

横浜市をホストエリアとする横浜キヤノンイーグルスのオープニングマッチは、コベルコ神戸スティーラーズとのホストゲーム。試合会場は横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で、12月18日の14:30にキックオフの号砲が鳴る。

あの日の悔しさを忘れてはいない──。

昨季のNTT ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1第15節。敵地でのコベルコ神戸スティーラーズ戦に敗れた横浜キヤノンイーグルスは「手が届きそうだった」(梶村祐介)トップ4入りの夢がこの試合の結果により絶たれた。あの日から約7カ月半。今季の開幕戦は、横浜キヤノンイーグルスにとって、因縁の相手との“リベンジマッチ”だ。

このプレシーズン、横浜キヤノンイーグルスは沢木敬介監督の下、順調にチーム強化を推し進めてきた。また今季期待の新戦力として、南アフリカ代表のファフ・デクラークを加え、戦力も増強している。日本代表の海外遠征で長くチームを離れていた梶村は、昨季からのチームの変化について、こう話した。

「アタックの強みはそのままに、ディフェンスの部分はかなりこだわってやっていると感じます。相手の勢いを殺すために、しっかりと相手ボールに対してプレッシャーを掛けることをやっていますし、そういった部分に昨季との違いがあると思います」

対戦するコベルコ神戸スティーラーズは梶村いわく、「いいランナーもいて、アタックのオプションが多いチーム」。そういった意味では、ここまでブラッシュアップしてきたディフェンス面の成果が問われる試合になりそうだ。

開幕戦の三ツ沢には横浜キヤノンイーグルスを支える多くのファンが集結するに違いない。今季の目標は悲願のトップ4入り。唯一無二の目標達成に向けて、田村優からキャプテンの座を引き継いだ梶村は言った。

「昨季のホストゲームはファンのみなさんにたくさんのパワーをもらった。みなさんのことをトップ4に連れていきたいですし、一緒にトップ4の景色を見たいと思います」

夢のトップ4入りへ──。「新しい歴史を作る瞬間」(梶村)に向けた横浜キヤノンイーグルスの挑戦が始まる。

(郡司聡)

梶村祐介キャプテン
スタンドオフ・田村優選手

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスB)

新キャプテンの橋本皓を中心に育まれる、信頼と絆

12月18日、敵地・ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込み、横浜キヤノンイーグルスとの開幕戦に臨むコベルコ神戸スティーラーズ。昨季7位からの巻き返しへ、はずみをつけたい今季初戦となる。

「良いリーダーシップを発揮してくれている」

ニコラス・ホルテンヘッドコーチは、今季からキャプテンを務める橋本皓をこう評した。

「プレシーズンがスタートしたときよりも、仲間に対する要求や声掛けのスキルも上がり、リーダーとしてすごく成長していると感じている」

2012年からコベルコ神戸スティーラーズでコーチを務め、今季から現職に就いたニコラス・ホルテンヘッドコーチは「気持ちをすごく出しながらプレーをしてくれるタイプなので、フィールド上でのリードにも期待している」とも述べ、29歳のフランカーへの全幅の信頼を口にした。

キャプテンとして初めてのシーズンを迎える橋本からは、気負い過ぎるような気配は漂ってこない。指揮官が橋本を信頼するように、橋本が口にしたのも「周りには頼れるプレーヤーがいる。キャプテンとして特別変わった感じはない」とする仲間への信頼。今季のスローガン『TRUST』そのままの、“信頼”で支え合う確かな絆がチームにはある。

橋本はリーグ戦を戦い抜く上での大切な意識を説く。

「シーズンが進んでいくと、どうしてもメンバーとメンバー外に分かれていくが、(2018-19シーズンの優勝時は)“メンバー外がメンバーのために”という空気感があり、より一体感があったように感じる。チームがバラバラになっていては絶対に勝てない」

リーグ戦は過酷だ。思うようにいかないことも多い。それでも、「体を張ってリードすることをグラウンドで体現していきたい。それが責任だと思っている」と橋本はリーダーとしての自覚を育み、言葉と行動でチームメートを引っ張る。

「昨季は開幕戦で負けたあと、横浜キヤノンイーグルスとの試合では大敗した。最初にコケて流れに乗れなかったので、初戦をしっかり勝って今季の良い流れを作りたい」

(小野慶太)


橋本皓・新キャプテン



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