花園近鉄ライナーズ(D1 カンファレンスB)

「自分のカラーと強みを見せたい」。初先発のシオサイア・フィフィタがリーグ屈指の攻撃力をさらに高める

5年ぶりのトップカテゴリーでは開幕2連敗。しかし、決して初挑戦となるディビジョン1の壁にはね返されているわけではない。

順位こそ11位で出遅れているものの得点数はコベルコ神戸スティーラーズに次ぐ2位で、トライの数もリーグ2位タイ。昨季ディビジョン2を席巻した攻撃ラグビーの魅力の一端は十分に見せつけている格好だ。

熱戦が繰り広げられている全国高校ラグビー大会の舞台である花園ラグビー場は、ラガーマンにとっての聖地。花園近鉄ライナーズはその聖地でホストゲーム開幕戦を戦うことになる。1月8日12時にキックオフされる一戦で迎え撃つのは、ビジターゲーム2連戦で1勝1分と好スタートを切った3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイである。

昨年12月、花園近鉄ライナーズを後押しするファンの名称を、英語で「乗客」を意味する「パッセンジャー」と決定した。そして、そのパッセンジャーが待ち侘びていた日本代表のシオサイア・フィフィタが待望の今季初先発で今季初出場を飾ることになる。

1月6日に行われたゲーム形式の練習でも鋭いタックルやキレのある動きを見せていたシオサイア・フィフィタは、すでにリーグ屈指の破壊力を見せている攻撃力をさらにスケールアップさせるはずだ。

「アタックにしろディフェンスにしろ、チームに勢いをもたらしてくれる存在」と水間良武ヘッドコーチも全幅の信頼を寄せるが、シオサイア・フィフィタは「クボタスピアーズ船橋・東京ベイはリーグで一番フィジカルが強いと思っている。僕は2試合出ていなかったので、そのぶん、自分のカラーと強みを見せたい」と持ち味でもあるスピードとパワーで今季初勝利に貢献するつもりでいる。

戦線を離脱していた主力も徐々に復帰し始め、本来の戦力を取り戻し始めている。2023年は卯年――。奇しくもウサギをモチーフにした広報キャラクター「ラビナーくん」を持つ花園近鉄ライナーズにとって、ここからのホストゲーム3連戦でウサギさながらの躍進を見せるのみだ。

(下薗昌記)

花園近鉄ライナーズ、シオサイア・フィフィタ選手

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

7年間、いつも一緒だった二人の邂逅。花園で実現する藤原忍とシオサイア・フィフィタの初対戦

2023年、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの戦いは、西のメッカ“花園”からスタートを切る。相手は、その聖地をホストスタジアムとする花園近鉄ライナーズ。1月8日の今季第3節、敵地に乗り込んでの一戦を前に、旧友との再会を心待ちにしている選手がいる。

「サイアが強い選手であることはよく知っています。彼がもし次の試合に出場するのならば、僕としては頑張るだけです」

藤原忍が言う「サイア」とは、花園近鉄ライナーズ所属で日本代表のシオサイア・フィフィタ。二人は日本航空高等学校石川、天理大学の同級生で、7年間苦楽をともにした間柄。ちなみに、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属では大学時代の1学年先輩に岡山仙治、2学年先輩にファウルア・マキシ、そして1学年後輩にアシペリ・モアラがいる。ファウルア・マキシ、アシペリ・モアラは日本航空高等学校石川出身でもある。中でも、藤原とシオサイア・フィフィタは同学年ということもあり、プライベートでも多くの時間をシェアしてきた。

「サイアは体に気を遣っているので、大学のころからお酒は飲まなかったです。だから飲みにいくことはなかったのですが、よく一緒にカフェに行ったり、ご飯に行ったりしていました。僕が関西に帰ったときも、お互いのオフが重なったタイミングがあれば、連絡を取って一緒に食事をしていました」

通ったラーメン屋さんも同じだったという二人。今節での顔合わせが実現すれば、それが正真正銘の初対戦となる。

「サイアとは大学のときも高校のときも同じチーム、同じメンバーの中にいました。練習でも、当たったことはあまりありません。実際のところ、サイアはどれだけ強いんだろうと。今回、初めてそれを体感できるかもしれません。楽しみです」

かつてはチームメートとしてともにピッチに立った、あの場所での邂逅。楕円球が紡ぐ青春物語は続く――。

(藤本かずまさ)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、藤原忍選手

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