横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

トップ4の境界線を分けるビッグマッチ。第5節以来の先発の男がキーマンに

ホストゲーム連戦の第2ラウンドに臨む横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、セカンダリーホストエリアである大分県のレゾナックドーム大分(旧昭和電工ドーム)で5位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)を迎え撃つ。先週のバイウィークを挟み、「BL東芝戦に向けてフォーカスしてきた」(竹澤正祥)横浜Eは、盤石の態勢で2連勝を狙う。

なお、ここからNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1は6週間連続でリーグ戦が続く。横浜Eにとってチーム内の合言葉は“一戦必勝”。まずは目の前の一戦に全力集中し、勝利をつかみ取ることしか考えていない。

特に今節は4位の横浜Eが5位のBL東京と対戦する。両チームは順位も近く、勝点差はわずかに『1』。そのため、竹澤はBL東京戦を「ビッグマッチ」と位置付けた。

重要なBL東京戦の先発を託された竹澤にとって、先発出場は第5節NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)戦以来となる。GR東葛戦にウイングのポジションで先発した竹澤は要所で相手のアタックを阻止するタックルを披露。その一方で果敢にトライのチャンスをうかがい、テレビジョンマッチオフィシャルにより取り消されたものの、今季初トライまであと一歩に迫った。

27歳の竹澤はチームにポジティブなエネルギーを注入できるプレーヤーだ。前節のリコーブラックラムズ東京戦でも途中出場を果たし、果敢なタックルでニッパツ三ツ沢球技場の観衆を大いに沸かせた。そんな竹澤を沢木敬介監督はBL東京撃破のキーマンの一人として先発起用。指揮官からは「ストロングポイントであるタックルをBL東京戦で発揮してほしい」と声を掛けられた。トップ4を死守したい試合での先発出場に本人が燃えないわけがない。

「BL東京はフィジカルが強いチーム。自分の強みであるフィジカルやコンタクトプレーを見せるチャンスがやってきた」

両チームの実力が拮抗しているだけに、ギリギリの勝負になることは覚悟の上。4位vs 5位によるトップ4入りを懸けたビッグマッチは、一瞬のスキが勝負を分ける“神経戦”の様相を呈するかもしれない。レゾナックドーム大分(旧昭和電工ドーム)に集うファンは、選手たちの一挙手一投足が見逃せない一戦になりそうだ。

(郡司聡)

この試合のキーマンの一人、横浜キヤノンイーグルスの竹澤正祥選手


東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

最大の武器はハイボールキャッチ。大分の空に新たな力よ、舞いあがれ!

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は2月18日14時から、レゾナックドーム大分(旧昭和電工ドーム)で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と対戦する。リーグ戦で5位につけるBL東京にとって、4位の横浜Eとの一戦は重要なものになる。

緊張感が高まる試合でジャパンラグビー リーグワン初出場、初スタメンを飾るのがウイングの松岡久善。183cm、87kgの30歳だ。

「試合に出られずモヤモヤした時期もあったのですが、常に試合に出ることをイメージして、『自分にいま、何ができるか』を考えてやってきました。その成果を出せるチャンスが来た、という気持ちです」

7人制日本代表の経験もある松岡は身体能力の高さが魅力で、特にハイボールキャッチの強さが光る。自身もプライドをのぞかせる。

「ここだけは絶対に譲れないと思っています。チームだけでなく、リーグワンの中でも『すごい』と思われるように普段から意識して、ここだけは絶対に負けないという気持ちでやっています」

横浜E戦では、ここまで8トライのジョネ・ナイカブラ、5トライのセタ・タマニバルが欠場となる。トッド・ブラックアダー ヘッドコーチは「シーズンではいろいろな理由で選手を起用できないことがあります」と語り、「選手が代わっても、チームに期待することは変わりません。今週は自分たちにとって良いチャレンジです」と期待を込めた。

自身にとっての“リーグワン開幕戦”に向けて、松岡も闘志を燃やしている。

「躍動感のあるプレーを見てほしいと思います。考え過ぎずに思い切り良く、ハツラツとプレーできるようにメンタルを作っていきます。(横浜Eは)タフなチームで絶対に競った試合になるので、最後の笛が鳴るまで我慢できたチームが勝つ、という試合になると思います」

グラウンドでは強気に駆け抜け、ゲン担ぎはせず、試合前の特別な準備もない……という松岡だが、一日の楽しみはNHKの朝ドラという意外な一面も。「ほのぼのするというか、リラックスできます。練習後に家に帰って、洗濯機を回しながら録画していた朝ドラを見るのがルーティンです」と穏やかに笑う。

自分を信じてチャンスを待ち、ハイボールキャッチという武器を磨き続けてきた。キックの名手がそろう横浜E戦でチャンスが巡ってきたのも運命かもしれない。天高く飛ぶボールに向けて、松岡久善よ、舞いあがれ!

(安実剛士)

リーグワン初出場となる、東芝ブレイブルーパス東京の松岡久善選手

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