中国電力レッドレグリオンズ(D3)

タックルでは誰にも負けたくない。森山皓太は強い相手ほど燃える

中国電力レッドレグリオンズは1月15日にホームのBalcom BMW Stadiumでクリタウォーターガッシュ昭島を迎え撃つ。前節は九州電力キューデンヴォルテクスに0対32で完敗。挽回を目指す今節はチームで戦う姿勢を貫く。

「タックルには自信がある。それを体現してチームに良い流れをもたらせるように、勝利へつながるようなプレーをしたい」。そう意気込むのは森山皓太。昨季、ディビジョン3ゴールデンショルダーを受賞し、激しいタックルを誇る29歳が今季初のスタメン入りを果たした。岩戸博和ヘッドコーチからも「スコアに直結するプレーを見せてほしい」と期待を受ける。

今季は開幕前の合宿中に脳震とうを起こして出遅れた。「いつレギュラーを落とされるかわからない状況だったので怖くて仕方なかった」と離脱中は焦りもあった。開幕戦はメンバー外。チームの快勝には涙するほど喜んだが、同時に「自分がその場所に立てていないのがすごく悔しかった」。続く第2節と第3節はどちらも後半開始からの途中出場。先発でやれる自信があっただけに「フラストレーションが溜まっていた」と素直に話す。

体の感覚も戻り、今節は待望のスタメン入り。「絶対にレギュラーに戻ってやろうと思って我慢してやってきた。非常にうれしいけど、これが当たり前じゃない」。まずは今節の活躍でアピールし、スタメン定着を狙う。

森山は相手が強いほど燃える。「大学時代にタックルしか取り柄がなかったので、そこで絶対に負けたくなかった。一番強い相手を倒せば、フィールドの中で一番強いということ。フィールドの誰かが主人公になるので、一番活躍して一番のプレーヤーになりたい。毎試合、そんな気持ちで臨んでいます」。

屈強な外国籍選手を多く擁するクリタウォーターガッシュ昭島は、気持ちをぶつけるには絶好の相手だ。「個人的にも外国籍選手には負けたくない。日本人を舐めるなよ、日本人でも強いぞっていうことを思ってプレーしている。強い相手を倒したときは快感ですね」。

家族の存在も森山の背中を押す。同じくラグビーに打ち込む次男・迅都(摂南大学)と三男・飛翔(京都成章高校)の弟2人とは切磋琢磨する関係。「尊敬する2人。会えばいつもラグビーの話ばかり。長男として頑張らないといけない」。3人の夢は日本代表入りだ。「誰が早く入るかっていつも話しています」。

今季初スタメンで気合いみなぎる森山。チームの勝利のため、夢のために突き進む。

(湊昂大)

中国電力レッドレグリオンズの森山皓太選手。昨季、ディビジョン3ゴールデンショルダーを受賞


クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

杉森健太郎と濱副慧悟、対照的な二人がチームを連勝に導く!

1月8日のホストゲーム開幕戦(第3節)でマツダスカイアクティブズ広島を降し、今季初勝利を挙げたクリタウォーターガッシュ昭島。次のターゲットは、15日にBalcom BMW Stadiumで行われる中国電力レッドレグリオンズ戦だ。昨季、ビジターでは敗れているものの、今季掲げるランニングラグビーで連勝なるか。リベンジマッチに期待が高まる。

ラインアウト、スクラムといったフォワードのプレーがフォーカスされやすいクリタウォーターガッシュ昭島だが、バックスにも個性豊かな選手がそろっている。中でも注目の二人を挙げるなら……。

まずはチームに安定感をもたらす、杉森健太郎。「ランニングラグビーはバックスがフォワードをコントロールしないといけない。プレー中は、常にフォワードに情報を与え続けることを意識しながら、全員が同じ理解と同じ情報を共有しつつ、ゲームを作っていくことが重要だと思います」と、常にチーム全体のことを考えるのが杉森のスタイル。

そして、もう一人は濱副慧悟だ。濱副の強みは強気のラインブレイク。第3節終了時点(クリタウォーターガッシュは消化2試合)でリーグトップのクリーンブレイク数、ゲインメータはリーグ全体でも2位の219mを記録し、あながち「ラインブレイク王」(濱副)も夢ではない。「中国電力レッドレグリオンズはペナルティも少なくて、チームとして一体感がある。だからこそ、飛び抜けた能力には適応できないと思うので、ぼくが個人技で突破してチームを勢いづけたい」、と「個の力」に絶対的な自信を持ってプレーするのが濱副流だ。

チーム全体の動きを見ながらプレーする杉森と、個の力に絶対の自信を持つ濱副。プレースタイルも性格も対照的な二人が、クリタウォーターガッシュ昭島を初めての連勝へと導くことができるか、注目だ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島の濱副慧悟選手。「個人技で突破してチームを勢いづけたい」


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