九州電力キューデンヴォルテクス(D3)

「体力勝負」の第2クールへ。外国籍選手をフォワードに3人起用した意図とは?

2月4日(土)15時、ベスト電器スタジアムにてマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)とのホストゲームに臨む九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)。2週間前にビジターゲームで戦い、38対14で勝利した相手とのリターンマッチだ。

同カテゴリーの全チームと対戦した第1クールを終え、首位と同勝点の2位と好位置につける九州KVだが、迎える第2クールではチームをさらに大きくする作業に入る。「チョック(ゼイン・ヒルトン ヘッドコーチ)は、ディビジョン3で勝ちながら最終的に(ディビジョン2チームとの)入替戦で勝つためのビジョンを常に持っている」。そう話すのは赤間勝監督だ。赤間監督は第2クール以降の戦いを「体力勝負」と表現する。激しいコンタクトプレーが頻発するラグビーにおいて、リーグ戦を同じメンバーだけで戦い切るのは、ほぼ不可能。「メンバーが変わってもある程度の戦い方をしっかりと維持できるか。けが人を抱えながらでも調子が良い選手、悪い選手をうまく入れ替えながら戦っていけるかどうか」(赤間監督)。その実現が昇格に向けて必要不可欠だ。今節は2年目の金堂眞弥が初キャップを迎えるが、彼のパフォーマンスがチームにどんな影響をもたらすか注目したい。

今季の九州KVは、前節のSA広島戦までスクラム勝率100%を記録。しかし、SA広島戦ではスクラムからペナルティを取られており、安里大吾も「スクラムのところではSA広島にもやられてしまっていたので、そこは修正して臨みたい」と気を引き締めている。ここまで外国籍選手はフォワードとバックスに二人ずつを起用してきたが、今節はフォワードに3人を起用する。前節の反省も踏まえて、今節こそはフォワードで圧倒するゲームを展開する狙いだ。相手の特長に応じた選手起用。これもチームを大きくするための作業と言えるだろう。

「チーム全体としてディビジョン2に上がるためのステップを踏める準備ができている」と語るのはコルビー・ファインガ。勝ちながら、さらにたくましく。第2クール初戦、九州KVは新たなステージへと突入する。

(杉山文宣)

九州電力キューデンヴォルテクスの金堂眞弥選手。フルバックで先発予定だ

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

「自分たちを信じて何度でも立ち上がる」。プレーで示す、SA広島の文化

マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)は2月4日、九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)とビジターゲームで対戦する。前節はホストゲームで九州KVに敗れて開幕4連敗。同じチームとの連戦となった今節、今季初勝利を目指す。

4連敗中でも、チームは前向きに取り組んできた。「何回も心が折れかけても、自分たちを信じて何度でも立ち上がる」。それがチームの文化だと中居智昭ヘッドコーチは言う。苦しい状況ではあるが、自分たちのラグビーに自信をもって戦い続ける。それが勝利につながる。

「強い心の部分をどうプレーに出せるかというところ。まだ勝利できていないので、一個一個のプレーを正確にやっていくことで勝利に近づけたい。部分的なプレーは自信がついてきているけど、勝ちがないのでどうしても焦りが出てしまう。正しいプレーを重ねることにフォーカスし、焦らずプレーしたい」(中居HC)

今節は、チームに自信をもたらす選手が帰ってきた。男子7人制日本代表の海外遠征に参加していた中村悠人がチームに合流。中居HCは「自信をつけて戻ってきた。広い世界を見てきた選手がチームにいるのはプラスで、みんなの自信にもなる。お互いにいい影響を与えながら、自信をもってプレーしてほしい」と期待を寄せる。

中村は「4連敗中で簡単ではないけど、僕が入ってチームに勢いをつけたい」と意気込む。帰国直後だが、今節はウイングでスタメン入り。「セブンズで培ってきたランや個人能力を出せるポジションなので、そこで何かを見せていきたい」と、さっそく世界での経験を生かしていく。

今季初スタメンのイシレリ・マヌもチームに勢いをもたらすはずだ。フランカーで出場する23歳は、「チームにたくさんのエネルギーを与えたい。ハードにプレーし、ハードにタックルし、自分の役割を果たしたい」と力強いプレーで引っ張っていく。

いまだ勝星のない苦境のSA広島。それでも、「自分たちを信じて何度でも立ち上がる」。そのチームの文化である不屈の精神で今節こそ初勝利をつかみ取る。

(湊昴大)

マツダスカイアクティブズ広島の中村悠人選手。セブンズ日本代表の活動から戻ってきた

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