2023.03.18第11節 SA広島 vs RH大阪-見どころ

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

首位撃破へ。
“相思相愛”の同期二人が勇敢にぶつかっていく

帝京大学でともに4年間を過ごして、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)でも一緒に戦っている佐藤羅雲と亀井康平は、お互いを認め合う間柄だ。

佐藤は少し照れながら亀井の存在について話してくれた。

「普段は“ちょけてる”感じですけど、実は一つひとつのプレーをすごく考えてやっているんです。試合の映像もしっかりと振り返って改善点を見つけながらやっている。すごく真面目ですし、一番体を張るプレーヤーでもあるので、大学のころから尊敬しています。本当に良いプレーヤーだと思いますね。本人の前ではそんなこと言ったことないですけど(笑)」

亀井も佐藤の存在を頼りにしていた。

「羅雲は明るいように見えるでしょ。実際に陽気なところもありますけど、本当は真面目なヤツで、明るく振る舞っているところがあるんですよ(笑)。もうそろそろ一緒にいて8年が経ちますけど、羅雲がいてくれると頼もしいし、やりやすさもある。ありがたい存在ですね」

今季は負傷の影響によって亀井は1試合の出場にとどまっているが、もう万全の状態になって19日のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、大阪RH)戦にメンバー入りした。

「ひさびさなので楽しみですね。ディフェンスが僕の強みなので、後ろからチームをコントロールできるようにコミュニケーションを取ってやっていきたいです」と意気込む亀井は、前節に(中国電力レッドグリオンズとの)“広島ダービー”に勝利し、上昇しているチームをさらに勢いづけてくれそうだ。「もっとできると思っています。まだまだできる自信があります」と意欲をみなぎらせている。

佐藤も「すごくうれしいです。僕たちの力でもっと盛り上げていければなと思っています」と亀井の復帰を喜び、2週間前に退場者を出したこともあって大敗を喫したRH大阪を相手にも勝機を見出している。「ドコモさん(RH大阪)は格上のチームですけど、自分たちが120%の力を出し切れば勝利は見えてくる。いかにボールを長く持って攻撃し続けられるかがキーになると思います」と見据えた。

昨季は共同キャプテンを務めた亀井と佐藤の2人がそろうSA広島は、勇敢にRH大阪にぶつかっていく。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島の佐藤羅雲(らも)選手。「ドコモさん(RH大阪)は格上のチームですけど、自分たちが120%の力を出し切れば勝利は見えてくる」


NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(D3)

“福岡”で培った100%の姿勢。
初先発でも「いつもどおり」仕事を務める

第11節、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)と対戦するNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)。SA広島とは、2週間前の第9節で対戦したばかり。マット・コベイン ヘッドコーチは、「SA広島も良いチーム。前回の対戦では、相手が14人になっていたことで、少し有利に進められた。当然ながら、今回は15人と15人での対戦。リスペクトしつつ、まずは自分たちの質の向上を考えて」準備をしてきた。今節でもこれまでと同じように、「選手たちには連続して努力すること。1回関与して終わりではなく、2回、3回と、どんどん仕事をすることを求めている」と話している。

今節は、今季加入した花田広樹が、加入後初めて先発出場する。花田は、運動量と仕事量の多さが持ち味の選手。今季初めて控えで試合に臨むキャプテンの杉下暢も、花田が「ディフェンス面とアタックのサポートで、チームに貢献してくれるだろう」と期待を寄せている。

福岡県出身の花田は、今季大阪にやって来るまでは、ずっと福岡県でプレーしてきた。東福岡高校と福岡大学卒業後は、2018年から21年はコカ・コーラレッドスパークス、22年は宗像サニックスブルースに在籍している。いずれのチームも、活動休止に伴い、退団した。

「子どものころから福岡にあるチームを見て憧れ、ラグビー選手になりたいと思っていた。だから、『自分が次にプレーできるチームを探さないと』、というよりも、憧れていたチームがなくなったことのほうがショックだった」と当時のことを振り返っている。

しかし、その2チームで培ってきたものは、いまも生きている。中でも一番に花田が挙げたのは、「何かできることがあれば、100%で」取り組む姿勢。試合はもちろん、試合で100%のパフォーマンスを発揮できる準備を1週間、そして毎週、同じように繰り返すことの大切さを学び、身につけてきた。

これまで学んできたことは、RH大阪でも発揮したい。現在28歳の花田は、「年齢的にも引っ張っていくような歳にもなってきているし、チームとしても個人としても、より良い方向に進めていけるような行動をしていきたい」と語っている。初先発する今節でも、「いつもどおり」自分に求められる仕事を真摯に務めるつもりだ。

(前田カオリ)

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪の花田広樹選手。「何かできることがあれば、100%で」


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