2024.01.05NTTリーグワン2023-24 第4節 BR東京 vs 花園L-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第4節 カンファレンスB
2024年1月6日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 花園近鉄ライナーズ

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

チームに、完全にコミットする。
若武者が立てた、新年の誓い

日本代表を目指す。だからこそ「完全にチームにコミットします」というリコーブラックラムズ東京の谷口祐一郎選手

2023年の3試合を白星なく終えたリコーブラックラムズ東京。2024年最初のゲームは、ホストゲーム。江東区夢の島競技場で、花園近鉄ライナーズを迎え撃つ。

今季これまでの試合すべてで先発しているのが、左プロップの谷口祐一郎。そしてプロップのコンビを組むは、大山祥平だ。入団年度こそ違えど、同い年。U20日本代表でも一緒にプレーしてきた、次世代を担う二人だ。

「スクラムを組むときはずっと喋っています。祥平だけでなく、(武井)日向も(佐藤)康もみんな年が近い。意思疎通がしやすいからこそ、自分たちにフォーカスした話を突き詰められている」と手ごたえを語る。

谷口は昨年、アマト・ファカタヴァの活躍に刺激を受けた。

「ラグビーワールドカップという大舞台でもすごい活躍のできる選手なんだと再認識して。自分もここで頑張れば、ああいう場所で活躍できるのかな、と自分に置き換えながら見ていました」

スポーツ選手である以上、ラグビーワールドカップは目指す舞台である。

一つ、心に変化があった。

一足飛びに日本代表を目指していたこれまで。でもいまは、ジャパンラグビー リーグワンで活躍することがその道に通ずると、ラグビーワールドカップを見て思った。

「アマトだけではなく、大学で一緒にプレーしたシオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)や、高校の後輩でもある長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)らが桜のジャージーを着て日本を代表していることに、影響されました。彼らはリーグワンで活躍しています」

リーグワンで勝つことが代表招集へとつながる、と気持ちは固まった。

いまの夢は、ただ一つ。

「リーグワンで、優勝したい」

優勝の喜びは、大学選手権を制覇した天理大学時代の経験から何物にも代えられないものだと知っている。

だからこそ、いまここにいるチームで、この仲間たちと優勝をしたい。そしてそこに日本代表という結果がついてきたら「また良し」。

「社会人1年目は、めちゃめちゃ代表を意識していました。でもやっぱり、チームにコミットしたほうが良いプレーをできたんです。『自分が、自分が』という気持ちももちろん大事ですが、チームファーストでプレーしたほうが、僕は良い結果がついてくる」

「だから完全にチームにコミットします」と、新年の誓いを立てた。

(原田友莉子)

花園近鉄ライナーズ(D1 カンファレンスB)

クウェイド・クーパー、ついに今季初出場へ。「フィジカル面とプレーの双方でチームを導く」

花園近鉄ライナーズのクウェイド・クーパー選手。「シーズンが終わるまで、ファンのみなさんや対戦相手にもわれわれのラグビーを見せつけたい」

花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が、1月6日のNTTジャパンラグビー リーグワン2023-24ディビジョン1カンファレンスB第4節でリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)とのビジターゲームに挑む。

開幕から3連敗を喫し、現在11位に沈む花園Lだが、入替戦に回った昨季とは違う「希望」も随所で見せている。

前節は横浜キヤノンイーグルスに26対66で敗れたが、向井昭吾ヘッドコーチは「前半の途中まではある程度思いどおりにいきました」と、12対26で折り返した前半の戦いに一定の手ごたえを口にした。

年明け最初の一戦で今季初勝利を目指す花園Lにおいて、特別な思いを抱いてピッチに立つ世界的スーパースターがいる。オーストラリア代表として数々の檜舞台を経験してきたクウェイド・クーパーである。

11月25日に行われたコベルコ神戸スティーラーズとのプレシーズンマッチで顔を負傷。開幕からの3試合に不在だったクウェイド・クーパーが、満を持してBR東京戦に挑む。

昨季のディビジョン1でほとんど出場がなかったクウェイド・クーパーにとっては、待ち侘びた一戦であるのは言うまでもない。

しかし、その口調に気負いは一切ない。

「いつもと変わらない心境ですよ。試合は今までやってきた努力を見せる場所でしかないですね」と言葉を紡いだ上で、自分にとっては「スペシャル・モーメント(特別な瞬間)」と言い切った。

2019年に花園Lに加入。「花園Lをディビジョン1に押し上げるのが目標でした」とクウェイド・クーパーは振り返ったが、昇格1年目の昨季は左アキレス腱断裂の影響もあって「自分がいない状態でチームメートがプレーしているのを見ているのはつらかったですよ」。

BR東京では僚友、ウィル・ゲニアとともにチームをけん引することになる。自らの役割は自覚済みだ。ファンタジスタでもありながら、泥臭いプレーでチームも鼓舞する。

クウェイド・クーパーは言う。「フィジカル面とプレーの双方でチームを導く存在でありたいです」。

自身3度目のラグビーワールドカップ出場こそならなかったが、その実績は世界的スターがそろう今季のディビジョン1でも際立つものである。

試合中の激しさとは対照的に、穏やかな口調を崩さない泰然自若の司令塔は、キッパリと言い切った。

「シーズンが終わるまで、ファンのみなさんや対戦相手にもわれわれのラグビーを見せつけたい」

花園Lを愛する世界的名手が、自身にとっての「開幕戦」に挑む。

(下薗昌記)


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