2024.01.19NTTリーグワン2023-24 第6節 相模原DB vs東京SG-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第6節
2024年1月20日(土)14:00 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 東京サントリーサンゴリアス

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスB)

大敗を受けての原点回帰。自分たちのラグビーを
信じて、過去の自分たちを乗り越える

「自分たちのラグビーを信じて80分間やり続けること。一つひとつの勝負、ブレイクダウンやコンタクトで相手に勝つこと」三菱重工相模原ダイナボアーズの岩村昂太キャプテン

試合2日前の練習場には三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)の選手たちの明るい声が響き渡っていた。

60点差の大敗からの仕切り直し。今週の始動日、相模原DBの選手たちとコーチ陣は、チームミーティングで“本音の話”をしたという。

岩村昂太キャプテンは「プロフェッショナルとして、ファンのみなさんのためにも、グラウンドで何を見せなければならないか話せたのは本当に良かった。それが練習に反映されていると思います」と前節からの意識の切り替えについて明かす。

相模原DBはディビジョン1カンファレンスBでの前半戦を2勝3敗で終えた。昇格年の昨季もシーズン序盤は健闘したが、そのときとは様相が異なる。

「最初の2試合は勝ち切れました。次の2試合は勝ち切れませんでしたが、相手にしっかりとプレッシャーを掛けてアタックで得点をたくさん取れたことはポジティブです。昨季から見れば、格上の相手にどうやって勝ち切るかということを学べました」と振り返る岩村が繰り返し口にするのは『自分たちが準備したものを80分間出し続ける』、だ。

そこには、「個人の判断でチームが準備していないことをやったときはうまくいきませんでした」(岩村)という反省がある。

世界レベルの屈強な選手との激しい戦いが続く中では、どうしても負傷者が出てくる。中盤以降に失速した昨季から学んだのは、「メンバー外も含めたチーム全員が当事者意識を持ってチームのやることを理解し、『自分もグラウンドに立つ』という強い気持ちで、チャンスが来たら同じようなパフォーマンスを出す準備を毎週行うこと」(岩村)だという。

今節はここまで4勝1敗で3位の東京サントリーサンゴリアス戦。岩村は「自分たちのラグビーを信じて80分間やり続けること。一つひとつの勝負、ブレイクダウンやコンタクトで相手に勝つこと。そうすれば80分後にこちらのスコアが上回る可能性が確実に出てくると思います」と見据える。

相模原DBは原点に立ち返り、過去の自分たちを乗り越えていく。

(宮本隆介)

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

飛躍を遂げるトライ王の弟。いま、もっとも
ワクワクできる選手の躍動を体感せよ

ニュージーランド留学を経て今季からプロ契約。充実のシーズンを送っている東京サントリーサンゴリアスの尾崎泰雅選手

リーグ3位をキープする東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。1月20日の第6節は神奈川・相模原ギオンスタジアムに乗り込んでの三菱重工相模原ダイナボアーズ戦だ。ここ2戦は後半での逆転勝利というシビれる展開が続いているが、自慢の「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」でスッキリ勝ち切りたい。

そんな「アタック」マインドをいま、チームで誰よりも体現するのが開幕から好調を維持する尾崎泰雅だ。昨季は「ユーティリティーバックス」として、ほとんどがリザーブでの出場だったが、今季はここまで全試合に13番(センター)でスタメン出場し、3トライを記録。アタックだけでなく、守備でも体を張ったプレーで明らかに目立っている。今季から加入したニュージーランド代表オールブラックスキャプテンのサム・ケインもチーム合流直後に「気になった選手」としてまず尾崎泰雅の名前を出したほどだ。

今季飛躍の要因は何か? 尾崎泰雅本人が語るのはオフに取り組んだニュージーランド留学でフィジカル・メンタル両面の成長を実感したことだという。

「ニュージーランドで体格の大きい選手ばかりと日々向き合ったことは自分にとってプラスになっています。また、言葉が通じない中でどうアピールするのか、という部分でメンタルも強くなりました。プレー以外でも、グラウンドやクラブハウスなどの設備面で、日本ではどれだけ恵まれた環境でラグビーができているのかを実感し、日々感謝の気持ちで臨めています」

今季からプロ契約になったことも飛躍の要因の一つだろう。

「ラグビーに対する意識はより強くなりました。どれだけきつい状況であっても、妥協するわけにはいかない。練習から常に全力で取り組むからこそ、試合でもそれが出せる。自分を信じてとことんやり切ろうと、常日頃から意識しています」

その精神面の成長について、「危うさが消え、プレーに安定感が出てきた」と語るのは、チームメートの兄、昨季の最多トライゲッターである尾崎晟也。今季の開幕戦では「兄弟で5トライ(晟也3、泰雅2)」を記録するなど、尾崎兄弟が東京SGのアタックをけん引している。

左が兄の尾崎晟也選手、右が弟の尾崎泰雅選手

東京SGのセンターといえば、日本代表経験も豊富な中村亮土、中野将伍が名を連ねる激戦区。そこでこのまま躍進を続ければ、尾崎泰雅の日本代表入りも視野に入ってくる。いま、見ていてもっともワクワクできる選手の躍動をぜひ、グラウンドで体感してほしい。

(オグマナオト)

※1月19日 尾崎泰雅選手は第6節の試合登録メンバー外となったことが発表されました

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