2024.04.06NTTリーグワン2023-24 第12節 神戸S vs 東京SG-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第12節 カンファレンスA
2024年4月7日(日)14:30 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 (兵庫県)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 東京サントリーサンゴリアス

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

日本代表への思いを胸に。
成長の階段を駆け上がる“ワイス”

コベルコ神戸スティーラーズのワイサケ・ララトゥブア選手はルーキーでありながら、これまで9試合に先発出場をしている

4位・コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の今節は、本拠地・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場での3位・東京サントリーサンゴリアスとの上位直接対決。キックオフは4月7日14時30分。激闘必至の譲れない一戦へ、神戸Sはファンと最高の歓喜をつかみにいく。

「シーズンをとおしてよりいい選手になれるように二人ともサポートしてくれています」

そう話したのは愛称「ワイス」ことワイサケ・ララトゥブア。“二人”とは同じロックのブロディ・レタリックとジェラード・カウリートゥイオティのこと。全体練習後の個人練習で、タックルに励みながらコミュニケーションを取っていた3人。経験豊富な先輩から多くのことを学んでいるという。

開幕戦を含めて9試合に先発するなど存在感を発揮している今節の4番。だが、見落としてはならない。東海大学卒の彼の今季はルーキーイヤーだ。

「正直、1シーズン目にこれだけ試合に出させてもらえることは予想していませんでした。コーチ陣が信じて使い続けてくれていることに感謝したいですし、周りの選手も助けてくれることに感謝しています」

ボールを前に運び、相手の突進を強度のあるタックルで止める迫力は世界的プレーヤーにも見劣りしない。「そこは強みだと思っています」と話すのと同時に「ガズラ(ブロディ・レタリックの愛称)らを見ると常に高いスタンダードを見せてくれています。自分のレベルを落とさないようにいかに出していくか、存在感をいかに出していくのかを考えながらプレーしています」と自らに矢印を向ける。

昨秋のラグビーワールドカップ2023フランス大会で母国フィジーが16年ぶりの8強進出。チームには友人も多かったようで、ラグビーワールドカップ出場への気持ちは強まった。「カテゴリーAという枠でチャンスがありますし、日本代表になりたいです」。日本で得る感謝と学び、そして、刺激。それらを貴重な経験とし、ワイスが上るのは成長の階段だ。

「チームメートのためにハードワークをできるか、自分の中の細かい役割をいかに突き詰めていけるかが大事になると思います」

プレーオフトーナメント進出を懸けた戦いは残り5試合。ルーキーの挑戦は加速する。

(小野慶太)

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

注目されるのは“キック”。プレーオフトーナメント争いを左右する3位・4位対決

東京サントリーサンゴリアスの尾﨑晟也選手。今節もキックを多めに使う戦い方になるか

プレーオフトーナメント進出のため、トップ4入りを目指す東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)のレギュラーシーズンは残り5試合。4月7日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場では、3位の東京SGと4位のコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)が激突する。

前節、80分経過のホーンが鳴ったあとに逆転を許すという悔し過ぎる黒星を喫した東京SG。今節は「ステイハングリー」を合言葉に、最後に勝ち切るためのハングリーさを意識して勝負に挑む。

そんな東京SGの今季の大きな特徴は、キックの比重を高めていること。前節までの1試合平均キック数(30.1)、およびキッキングメーター数(960)はどちらもディビジョン1で1位だ。昨季トライ王の尾﨑晟也も、「これまで以上にキックへの意識を高めている」と語る。

「僕たちのチームの特徴はアタッキングラグビーですが、ボールを持ってアタックするのは当たり前。空いたスペースを生かし、さらにチャンスを広げるためにキックを使うという認識で今季は取り組んでいて、特にワイドに振ったときのキックは有効に使えていると思います」

昨季18トライの尾﨑だが、今季はここまで7トライ。昨季と比べてペースは落ちているが、それはチーム全体の攻撃力を上げるためにプレーの幅を広げた結果だとして、本人は否定的には捉えていない。

「自分はもちろんランが好きで、自分の強みだと思っていますが、攻撃の幅を広げるためにも効果的にキックも織り交ぜていく。特に、エッジ(外側)でボールをもらったとき、走りながら裏のスペースを見てキックするプレーは今季、自分の中ではうまくいっているのかなと思います」

対する神戸Sにも、“キックの名手”日本代表の山中亮平がいる。尾﨑も警戒の意識を緩めない。

「第4節で対戦した際は勝ちましたが、山中さんが欠場していたせいか、神戸Sのキック自体が少なかった。でも、ここ数試合の神戸Sを見ているとキックをうまく使いながら自分たちのアタックにつなげている印象があるので、そこを封じながらディフェンスでしっかりプレッシャーを掛けていきたいです」

プレーオフトーナメント進出へ近づく勝利をつかむのはどちらのチームか。

(オグマナオト)


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