2024.05.02NTTリーグワン2023-24 第16節 横浜E vs 埼玉WK-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第16節 カンファレンスB
2024年5月4日(土)14:05 レゾナックドーム大分 (大分県)
横浜キヤノンイーグルス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

勝ち点1差で追う4位の横浜E、
大分の地で「情熱的な“イーグルスのラグビー”」を

今季初先発となる横浜キヤノンイーグルスのミッチェル・ブラウン選手。「常に冷静さを保ちながら、リーダーシップも発揮したいと思っている」

ディビジョン1の最終節は、開幕戦のリターンマッチ。横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)が今季全勝の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)を迎えるホストゲームは、5月4日(土)14:05レゾナックドーム大分でキックオフのホイッスルが鳴り響く。

ラストプレーに笑うこともあれば、ラストプレーに泣くこともある──。第11節の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)戦ではラストプレーで勝ち越した横浜Eが、前節のトヨタヴェルブリッツ戦は土壇場でトライを決められ敗者の側に回った。「最後の最後で試合を落とすことになって厳しいゲームだった」とミッチェル・ブラウン。それでも、横浜Eは立ち上がらなければならない。

レギュラーシーズン最終節の相手は、トップ独走の埼玉WK。お互いにプレーオフトーナメント進出を決めているとはいえ、横浜Eのリーグ戦における順位はまだ確定していない。勝ち点1差で3位の東京SGを追う4位の横浜Eは、まず目の前の埼玉WKに勝利した上で天命を待つ。ただ、相手はリーグ15戦全勝の首位チーム。“紙一重の勝負”も覚悟しなければならないだろう。今季初先発のミッチェル・ブラウンはこう言った。

「埼玉WKは各々が役割を遂行することに長けている強豪チーム。ただわれわれも一人ひとりに与えられた役割を遂行し、ミスを少なくした上で規律を守ることができれば、きっと試合はうまくいくと思う」

それぞれのタスクを遂行した先に待っている歓喜の瞬間。沢木敬介監督も“チームリーダー”の一人として認めるミッチェル・ブラウンに託された役割とは。

「ワークレート(仕事量)を上げて、ディフェンスとブレイクダウンで相手にプレッシャーを掛けたい。また常に冷静さを保ちながら、リーダーシップも発揮したいと思っている」

セカンダリーホストエリアの大分で勝利の喜びを。「情熱的な“イーグルスのラグビー”を見せることができれば、みなさんにも喜んでもらえる」と、ミッチェル・ブラウンの言葉は自信に満ちていた。

(郡司聡)

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

感じているのは大きな責任。
「みんなで笑う」ための“最後の3試合”

埼玉パナソニックワイルドナイツの小山大輝選手。今シーズンは自らも4トライを上げるなど好調を維持している
埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が5月4日のディビジョン1最終節のビジターゲームで横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と対戦する。ともにプレーオフトーナメント進出を決めているチーム同士の対戦は、その前哨戦とも言える戦いとなる。埼玉WKはリーグ全勝フィニッシュを懸けて大分開催の試合に挑む。

小山大輝が確かな進化を見せ続けている。昨季まではスタメン出場の機会が限られていたが、今季はここまで14試合に出場し、その内12試合で先発。シーズンを通じてハイパフォーマンスを見せてきた。

「多くの試合でスタメン起用してもらって、プレー時間も長くもらっているので、自分の成長につながっている。チームやほかの選手の調子が良いので自分にとってはプレーしやすい環境になっている」

走攻守にスピードを加えたハイスペックなスクラムハーフ。接点からの一瞬のスキをついた動きなどで今季は4トライを奪っている。「1回のチャンスを無駄にせず、常に前を向いてプレーしている。トライについては、味方の選手たちがすごくて、相手のラックサイドが空くことが多いので、そこを逃さないようにしている」。

小学1年生から中学3年生までは野球少年。主に1番・ショートで活躍していたという。4歳上の兄の影響で高校入学時にラグビーに転向。天性のパスセンスとスピードを生かしたプレーで実績を積んで、大東文化大学卒業後にパナソニック ワイルドナイツ(当時)へ加入した。そして、世界レベルの選手がそろうチームの中で進化を遂げた。今季は、小山にとって重要なシーズン。チームは前節まで無敗ロードを突き進み、前節の花園近鉄ライナーズ戦は、今季限りで引退する堀江翔太と内田啓介のラストホストゲームとなった。

「堀江選手はキックも蹴って、内田選手は素晴らしいゲームメークを見せてくれた。偉大な先輩たちのプレーから多くを学ばせてもらった。このメンバーでプレーできるのも最大3試合なので大きな責任を感じました」

埼玉WKはすでにリーグ戦1位でのプレーオフトーナメント進出を決めているが、慢心はまったくない。「リーグ全勝というよりも、目の前の試合で結果を残すことだけを考えている。最後にみんなで一緒に笑うために、チームとして個人として最後まで成長していくだけ。その先に『王座奪還』がある」

小山は、チームの勝利と自身の成長のため、大分行きのフライトへ乗り込む。

(伊藤寿学)

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