2024.12.20[埼玉WK]偉大な10番を超えるために。新たな10番が埼玉WKに革新をもたらす

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第1節(リーグ戦) カンファレンスB
2024年12月21日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

偉大な10番を超えるために。
新たな10番が埼玉WKに革新をもたらす

あいた10番のポジション。開幕戦で選ばれたのは、山沢京平選手だった

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が12月21日のリーグワン開幕戦で東京サントリーサンゴリアスと対戦する。2年連続でプレーオフトーナメント準優勝に終わった埼玉WKは、3年ぶりのリーグワン制覇を目指して開幕の地・味の素スタジアムに乗り込む。

開幕を直前に控えた19日の練習後、囲み取材に対応していた稲垣啓太が「10番?あそこ(ピッチサイド)で寝転んでいる選手を見てください(笑)。良い意味であのくらいの太々しさが必要なんです」と頬を緩ませた。その視線の先にいたのは、開幕戦で「10」を背負う山沢京平だ。

言わずと知れた日本代表・山沢拓也の弟で、兄同様に天才肌のプレーヤー。咄嗟の判断で奇想天外のプレーを見せるアイディアと、体の強さを生かす豪快さを兼ね備えた司令塔だ。埼玉WKは19日午後に開幕戦のメンバー23人を発表したが、サプライズはトヨタヴェルブリッツへ移籍した松田力也のあとの10番のポジションに弟・京平が入り、兄・拓也がフルバックとして最後方に立つことだった。

チーム始動当初は、拓也がスタンドオフ、京平がフルバックに入ることが予想されたが、テストマッチや宮崎キャンプを経て、ロビー・ディーンズ監督は“変化”を選択した。拓也は「この数年間は、(松田)力也が10番をやっていて、埼玉WKのラグビーを確立してくれた。良い部分を残しながら(京平が)新しい部分でアレンジしていくのかなと。自分が後ろからサポートしていきたい」とフォローを誓う。地元・埼玉県出身の兄弟の“阿吽の呼吸”がホットラインを作り出していく。

開幕戦の大舞台へ向かう強心臓の京平には気負いも緊張もないようだ。松田の存在が大きかっただけにチームには彼の残像がまだ消えないが、京平は新たなキャンバスをイメージしている。

「僕は僕であって特長は違うので、今季のチームのカラーをハッキリと色付けできるようにしたい。その中で、自分の強みを出していく。アタックもディフェンスでも自分の役割と責任を果たしたい」

拓也は「熊谷ファンタジスタ」の異名を持つが、京平はチームに革新をもたらす「イノベーター」。埼玉WKの新10番が開幕戦でそのベールを脱ぐ

(伊藤寿学)

2024.12.20[東京SG]新指揮官と新メンバーも加わる新シーズン“新生サンゴリアス“の頂点を目指す戦いが始まる

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第1節(リーグ戦) カンファレンスB
2024年12月21日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

新指揮官と新メンバーも加わる新シーズン
“新生サンゴリアス“の頂点を目指す戦いが始まる

プレシーズンでは「若手、ベテラン、代表キャップ数に関係なく」激しく競わせたという小野晃征ヘッドコーチ

今年こそ優勝を!その思いを胸に新シーズンに挑む東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。過去のジャパンラグビー リーグワンではトップ4に常に名を連ねながら、最後に優勝を味わったのはトップリーグ時代の2017-2018シーズン。ファン以上に選手たち自身が優勝に飢えているのは間違いない。

例年に比べて日本代表に選出される選手は少なかったが、ほぼフルメンバーで9月からみっちりチーム練習に打ち込むことができ、プラス要素へと転換。プレシーズンマッチも全勝で駆け抜けた。

開幕戦の相手は埼玉パナソニックワイルドナイツ。いきなり、リーグ屈指の強敵を迎えての大一番だが、今季から指揮を取る小野晃征新ヘッドコーチはチームの仕上がり具合に自信を見せる。

「自分たちが勝つために何が必要か。そのことを考えながらいい準備をしてきました。『プレシーズンをとおして全員にチャンスを与える』と選手たちには伝え、若手、ベテラン、代表キャップ数に関係なく競争をした結果として開幕戦のジャージーを勝ち取ることが大事だと思っていたので、練習から試合の強度で取り組んできました」

その激しい競争を経て、開幕メンバーに名を連ねた一人が、今季新加入の福田健太だ。明治大学ではキャプテンを務め、昨季までトヨタヴェルブリッツで活躍。ラグビーワールドカップ2023フランス大会にも出場した日本屈指のスクラムハーフである福田でも、東京SGの「コンペティション(競争)」にはカルチャーショックを受けたという。

「このチームはとにかくコンペティションがすごい!練習の強度から激しいですし、試合以上に圧力を感じることもあります。そして何より、試合メンバー23人を発表する際の雰囲気、空気感からも、このチームで23人に選ばれる責任の重さを感じています」

トヨタヴェルブリッツから新加入の福田健太選手は、開幕戦メンバー入り

アグレッシブ・アタッキング・ラグビーを標ぼうする東京SGのラグビーに、福田自身はどう貢献できるのか。

「僕のラグビースタイルもアタッキングラグビー。ボールをどんどん動かして、どんどんアタックしたい気持ちが強くあります。その上で東京SGの場合、ストラクチャー(攻撃や守備で陣形が整った状態)にとらわれすぎずにゲームにコミットすることが求められます。選手個々の、瞬間、瞬間の判断力が大事になってくるはず。僕にとっては新しい色のジャージーで心機一転、開幕戦からチームに貢献したいと思ってワクワクしています」

新指揮官の下、新メンバーも加えて挑む新シーズン。新生サンゴリアスは最高のスタートダッシュを目指す。

(オグマナオト)


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