2024.12.26[東京SG]ライバルとの激しいポジション争い。若きフルバックが“最後尾”から巻き返す

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第1節(リーグ戦) カンファレンスA
2024年12月28日(土)13:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

オフシーズンにニュージーランドで経験を積み、帰国。1節に続き2節もフルバックで先発する河瀬諒介選手

第1節を終え、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)は得失点差の関係でまさかの最下位。まだ第1節だけの結果…とは当然思うものの、常勝ぶりを知る昔からのファンほど信じられない順位とも言える。

最後尾からのリスタートを狙う第2節は、秩父宮ラグビー場でのリコーブラックラムズ東京戦。この試合で、チームの最後尾から必勝を期すのは若きフルバック、河瀬諒介だ。

「記憶の中でサンゴリアスが一番下というのは見たことがないです。開幕戦に出た一人として責任を感じていますし、悔しい思いもあります。ただ、試合を通じていいところもありましたし、プレシーズンで積み重ねてきたことがゼロになるわけじゃない。シーズンは始まったばかりなので、ここからしっかり勝利を重ねて順位を上げていくだけです」

オフシーズンには飛躍のきっかけを求め、ニュージーランドで約2カ月間の武者修行を敢行。その経験も糧に、初の開幕スタメンを勝ち取った形だ。

「ウイング、フルバック、スタンドオフとさまざまなポジション、さまざまなチームで計7試合プレーしました。言葉も通じない中で日本ではあまりないプレースタイルも経験できましたし、強いフィジカルのチームの中で揉まれてきました。日本に帰ってきてからもウエイトトレーニングは継続しつつ、ステップを切る際にスピードが落ちないように心掛けてきたので、そういった部分が評価されて開幕メンバーに選んでもらえたのかなと思います」

東京SGに入団以降、これまではウイングで出場することが多かった河瀬。ただ、今季任されているフルバックは早稲田大学時代に慣れ親しんだポジションだ。

「試合に出られるならポジションは関係ない、という思いもありますが、個人的にはフルバックのほうが自由に動ける。ハイボールキャッチやボールキャリーの部分など、自分の強みを考えればフルバックのほうがよりアピールできるはずです」

東京SGのフルバックで試合に出続けるには、日本代表経験が長い松島幸太朗とのポジション争いが待っていることを意味する。

「このチームのフルバックには、どこからでもチャンスを見つけて攻撃に転じるアタッキングマインドが求められます。その上で、松島さんとの勝負になっても、スピードのところは負けたくないですね」

(オグマナオト)

2024.12.26[BR東京]世界的名手は「まだまだ成長できる」。TJ・ペレナラのあくなき探求心

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第1節(リーグ戦) カンファレンスA
2024年12月28日(土)13:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 東京サントリーサンゴリアス

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

長くオールブラックスのスクラムハーフとして活躍してきたTJ・ペレナラ選手。「僕もまだ学ぼうとしている段階。プレーヤーとしてまだまだ成長できます」

先週末に開幕した、リーグワン。リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)は終盤までリードを保ちながらも、後半41分にペナルティゴールを許し逆転負け。3季ぶりの開幕戦勝利とはならなかった。

「良いプレーはできたので、本来であればもっとトライを取れるチャンスがありました。チャンスを作れたことは喜ばしいですが、ただ取り切れなかったことが残念です」

この試合でBR東京の選手としての初キャップを獲得した世界的名手、TJ・ペレナラは言った。

課題は『トレーニング・ハビット(練習中の習慣)』にある。試合開始から15分まで。そして、試合終了までの20分でトライを取り切れなかったこと。「試合での実行力を身に付けるために、トレーニングを行うことが大事」だとペレナラは説明する。

そのトレーニング中、ペレナラ自身は特徴的な光景を見せる。自らがプレーに加わらないターン時には後方へ位置取り、じっと味方のプレーを見つめるのだ。ときには片ひざをつき、ときには立ったまま、仲間のプレーを観察する。

「僕の仕事はラック周り。あまり外側が見られないので、自分がプレーしない順番のときには後ろからチームを見て、どこにスペースがあるのかを確認しています。僕の仕事次第で、実行力は高まる。どうすべきかと考えながら見ています」

「ここだったらこういうプレーができるな」。「この局面ではもっと上手くできたらいいな」。「自分たちが上手くできていること、はたまた改善できることは何だろうか」。考えを巡らせながら、チームメートのプレーを俯瞰する。

「僕もまだ学ぼうとしている段階。プレーヤーとしてまだまだ成長できます」

そう、すべてはチームのため、そして自らの成長のため。スーパープレーの原点は、飽くなき探求心にあった。

ホストゲーム開幕戦となる東京サントリーサンゴリアス戦は12月28日(土)。秩父宮ラグビー場で13時にキックオフを迎える。

「すごく仲がいいし、リスペクトしている」という元ニュージーランド代表(オールブラックス)キャプテンのサム・ケインとのマッチアップも待ち望まれるが「僕は彼を避けるけど、彼は僕にタックルしてくるだろうね」と笑顔を見せた。

今節はアクセンチュアマッチデー特別企画として、先着1万人に今季のスローガン『Reboot』が書かれたロールフラッグが配布される。スタンドを黒く染め、再起動を狙う選手たちを後押ししてほしい。

(原田友莉子)

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