2024.12.28[BL東京]「伸ばしたいのはプレーの一貫性」。松永拓朗、さらに上を

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第2節(リーグ戦) カンファレンスA
2024年12月29日(日)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

10番のリッチー・モウンガ選手とともにチームをオーガナイズする15番の松永拓朗選手

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は12月29日、味の素スタジアムで三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)と対戦する。開幕戦で横浜キヤノンイーグルスに28対21で逆転勝利を収めた王者が2連勝を狙う。

BL東京の“最後の砦”を守るのは松永拓朗。パス、キックに優れ、伸びやかなランは172cmの身長よりも体を大きく感じさせる。昨季はゲインメーターでリーグ4位と大いに走り回り、チームのリーグワン初優勝に貢献した。

抜群の安定感でチームの主力選手の一人となった26歳は、さらなる向上心を持ってグラウンドに立っている。

「伸ばしたいところはプレーの一貫性です。日本代表に行ったときにそう感じました。良いときと悪いときの波が激しかったので、そこをなくしたいと思っています」

松永は10月のニュージーランド代表戦で日本代表初キャップを獲得。11月のウルグアイ代表戦ではディラン・ライリーのトライを演出するなど、スタンドオフ、フルバックの両ポジションで奮闘した。チームが厳しい時期を過ごす中で、松永の存在はエディー・ジョーンズ ヘッドコーチにとっても収穫の一つになったはずだ。

それでも、松永は「どんなプレッシャーの中でも自分のスキルをフルに使わなくてはいけないと学びました」と、日本代表での経験を真摯に受け止めている。

昨季から加入した世界的スタンドオフのリッチー・モウンガとともに、試合中は“ダブル司令塔”のような形でBL東京の攻撃をリードする。相模原DB戦に向けてもやることは変わらない。

「10番、15番に関係なく、チームをオーガナイズ(組織化してまとめる)できるように。優勝して追われる立場になりましたが、僕たちができることは一戦一戦にフォーカスして戦うことなので、そこを大事にしています」

自然体で常に上を目指す松永。スタンドオフとしてもフルバックとしてもプレーする男がさらに成長を遂げたとき、チームは再び頂点に近づくはずだ。

(安実剛士)

2024.12.28[相模原DB]約1年7カ月ぶりに踏んだリーグワンのピッチ。再び進む、光の当たる道

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第2節(リーグ戦) カンファレンスA
2024年12月29日(日)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

新たな環境で挑戦を続ける津嘉山廉人選手。開幕戦に引き続き今節も3番で先発メンバー入り

「後半4連続トライの逆転勝利」。これまでになかった試合運びで好スタートを切った三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)。

ナンバーエイトの位置で途中出場したジャクソン・ヘモポは、「最後まで走り続けられるというところで、相手を上回ることができたと思います」と開幕戦の勝因を挙げた。

過去と比べて下がっていたディフェンスのレベルを、シーズン前の課題に設定。プレシーズンは「リーグで一番トライを与えにくいディフェンスにする」(グレン・ディレーニー ヘッドコーチ)ことを目的に、新たにヘッドオブアスレティックパフォーマンスのポストに就いたアンドレ・クインの下、「キツい状態でさらにどれだけできるかの最大値を上げていくようなトレーニング方法」(鶴谷昌隆)でフィジカル強化に取り組んできた。

相模原DBの進化の度合いは、王者・東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)との今節で図ることができるだろう。

開幕戦の先発メンバーとしてフロントローに入った津嘉山廉人は「チームで決められたことを徹底的にやったほうが勝つと思います」とBL東京戦を展望する。

流通経済大学出身。フィットネスとコンタクトプレーを強みとして、ジュニア・ジャパンやU20日本代表に選ばれたことがある。2021年の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)加入後はリーグワン初年度の2022シーズンから出場機会を重ねると、翌2022-23シーズンと合わせて31試合に出場。活躍が認められて日本代表候補にも入った。

ラグビー選手として光の当たる道を歩んできた。しかし、2023-24シーズンは出場機会を失う。

津嘉山は「2023-24シーズンの自分のコンディションはそれまでで一番良かったのですが、チームでそういう(出場機会が得られない)ポジションになってしまいました」と明かす。

「自分をピックアップし、出場機会を与えてくれた横浜Eに恩はあるのですが、自分はプロなので、試合に出られないと立ち位置が難しくなると考えました」

そして前節、約1年7カ月ぶり、イノシシ軍団の一員としてリーグワンのピッチに戻った。

「移籍して初めての公式戦でしたので思うところはありました。スクラムは課題が残る内容でしたが、自分の仕事は8割くらいできたかなと思います」

津嘉山が語気を強めて口にするのは、「個人ではなくチーム」。より前へ進むために、津嘉山は全力を尽くし、チームとともに歩む。

(宮本隆介)

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