2025.01.31[BL東京]今季初出場で担う、チームの“再加速”。強気のランで勝負するスピードスター

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第6節(交流戦)
2025年2月2日(日)12:10 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs 東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

濵田将暉選手。「昨季からフィジカルやメンタルの部分の意識を変えていて、ここまでは良いフィーリングでプレーできています」

ここまで4勝1敗でリーグ2位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は2月2日、三重交通G スポーツの杜 鈴鹿で同7位(2勝3敗)の三重ホンダヒート(以下、三重H)と対戦する。

昨年度リーグワン王者のBL東京は前節で静岡ブルーレヴズに28対34で敗れ、開幕からの連勝が4でストップした。再び勢いを取り戻すための重要な一戦で11番に入るのが今季初出場となる濵田将暉だ。

28歳の濵田は一昨季にリーグ11位タイの8トライをマーク。今季は負傷もあって出遅れたが、第6節でチャンスが巡ってきた。

「昨季からフィジカルやメンタルの部分の意識を変えていて、ここまでは良いフィーリングでプレーできています。少しけがもありましたが、感覚としてはすごく良い状態です」

対戦相手の三重Hは昨季のリーグ戦で1勝15敗と苦しんだが、今季は開幕戦でリコーブラックラムズ東京に対して勝利を挙げると第2節でトヨタヴェルブリッツを撃破し、第3節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦も5点差の惜敗と地力をつけている。

そして、昨季までの8シーズンをBL東京で過ごした中尾隼太が今季から三重Hに加わっている。司令塔として日本代表にも選ばれた中尾は戦術眼に優れ、BL東京でも重要な役割を担っていた。

濵田は「隼太さんがいるので戦い方を読まれるかもしれませんが、意識し過ぎずに自分たちの勢いのあるラグビーをしたいと思います」と穏やかに笑う。

『猛勇狼士』を掲げるチームの中で、身長174cm、80kgはやや細身にも見えるが、タフに戦い続けることで濵田は存在価値を示してきた。

「自分の強みである細かいステップやスピードをさらに向上させてきました。チームがもう一度勢いを取り戻すために、自分たちのラグビーができれば勝てると思うので、そこを信じています」

強気のランで勝負するスピードスターが、王者を再び加速させる。

(安実剛士)


2025.01.31[三重H]ホストの熱い応援の中で、『冷酷』に。古巣対決に描く「勝利のカギ」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第6節(交流戦)
2025年2月2日(日)12:10 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs 東芝ブレイブルーパス東京

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

今節は東芝ブレイブルーパス東京との闘い。中尾隼太選手が語る「『冷酷』に」が意味するものとは

「年間パスを持っているのでUSJに行きました。年に3回以上行くと元が取れるんですよ(笑)」

ジムのトレーニングベンチに座った中尾隼太は、今季初のバイウィークを振り返って話した。

「ゆっくり楽しんで、次の5週間に向けていい準備ができています。昨年はイングランドに留学しましたし、帰国してからもぶっ続けでプレーしていましたから、リフレッシュの機会になりました」

開幕2連勝を果たした三重ホンダヒート(以下、三重H)だが、その後は3連敗。善戦の一方で惜しい結果が続いた。2月2日の12:10から三重交通G スポーツの杜 鈴鹿で行われるホストゲームの東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)戦は、停滞した流れを断ち切るための重要な試合だ。

また、これは中尾にとって昨季まで所属した古巣との初対戦でもある。「相手はいいチームですし、質の高い選手がそろっていて、一体感もある。いまの三重Hの一員として戦えるのはとても楽しみですね。どこにチャンスがあるのか分かっている部分もあるので、少しアドバンテージもあるかなとも思います。ただ、私情を持ち込むよりは『自分の最大限の力を発揮する』ところに集中したいです」

冷静に展望を語る中尾。そこでふと思い出されるのは、1月19日の東京サントリーサンゴリアス戦後に彼が語っていたコメントである。それは「BL東京は友達がたくさんいるチームですけど、冷酷になって戦いたい」というものだった。その「冷酷」の具体的な意味とは何か。

「メンタルでスキを見せないこと。相手にダメージを与えられる場面やチャンスを見逃さないこと。一瞬のプレーの強度や遂行力を落とさないこと。それが『冷酷』という表現になります。ゲームプランを明確にして、あとはスキルとフィジカルと気持ちを整えて、本番では大胆に思いっきりやる。ホストゲームですし、鈴鹿のファンが僕たちをサポートしてくれます。それらのすべてをパワーにして、怯まずに真正面から向かっていきたいです」

三重交通G スポーツの杜 鈴鹿は、陸上トラックがなくコンパクトな造りで、グラウンドと観客席が近い球技専用スタジアム。三重Hのファン、通称『HEATER(ヒーター)』による応援の声も会場全体を突き抜けるように響く。中尾は「味方」となった鈴鹿の後押しについてこう語る。

「会場は広くないですが、そのぶんファンが近くで応援してくれますし、その声がとても大きくて熱いんです。ホストゲームの場所が頻繁に変わるチームもありますが、僕たちはいつも鈴鹿でプレーしているので『ここはホームなんだ』という感覚が強くなりますね」

熱さの中で冷酷に。『HEATER』の応援を背にした三重Hは、昨季の王者・BL東京を相手にV字回復のきっかけをつかむことができるだろうか。

(籠信明)


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