2025.02.07[トヨタV]「想像以上の不調」から脱却 松田力也の復調がチームに勇気を与える

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2025年2月9日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

ゴールキックに関してたいへんなスランプに陥っていた松田力也選手は、1月末のバイウィークを機に復調したという

最善を尽くしても結果に結びつかない。高い個の能力を有しながらも8位と苦しむトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)の今節は、相模原ギオンスタジアムでのビジターゲーム。最低限の目標であるプレーオフトーナメント進出圏内となる6位以内に入るためにも、絶対に勝たなければいけない試合だ。

トヨタVのこれまでの成績は1勝1分4敗。ただこの4敗のうち3試合はクロスゲームで十分に勝てる可能性があった。前節も1トライで逆転できる4点差で後半の40分が経過したことを告げるホーンが鳴ったあとも、23フェーズを重ねる粘り強い攻撃を展開。しかし、得点することができずに惜敗となった。イアン・フォスター共同コーチは、結果についてフラストレーションが溜まっているとしながら、「いま必要なのは信念だと考えている。良い内容はたくさんあったが、それを80分間続けることに向き合っていかねばならない」と、フルタイムで集中力の高いプレーをすることがブレイクスルーにつながると考えている。

イアン・フォスター共同コーチ

良くなる兆しも見えている。今季新加入の日本代表・松田力也は、前節まで自分でも想像できないほどキックの不調に陥っていた。しかし、先々週のバイウィークを利用して、かねてから師事しているアスレティックトレーナーを訪問。その原因を探し求めた。前節、角度の厳しかった1本目のペナルティゴールは外したものの「前に、前にという気持ちがあって蹴り急いでいた。1本目も後ろに引き切れず、自分の時間を作れていなかった」と反省をすると、その後は2本のコンバージョンと2本のペナルティゴールを成功。キックの連続失敗を7で止めた。

それだけでなく前半19分の三浦昌悟のトライも、後半13分の髙橋汰地のトライも松田のキックが起点になったもの。国内屈指のゲームコントローラーの復調はチームに勇気を与えるものになるだろう。

「本当にもう負けたくないんで。一つかみ合い始めたら絶対にイケると信じていますし、負けている中でも勝ち点を取れているのは今後につながると思います。落ちることなくやり続けていきたいですね」

(斎藤孝一)


2025.02.07[相模原DB]チームのアタックを進化させるラグビーIQの高い“二刀流プレーヤー”

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2025年2月9日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs トヨタヴェルブリッツ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

スクラムハーフだけでなくスタンドオフもプレーできるというジャック・ストラトン選手

今季2戦2勝の相模原ギオンスタジアムで迎えた前節は完敗。三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)が“聖地”で歓喜の瞬間を取り戻すことができるか。トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)との一戦は2月9日14時30分キックオフとなる。

ハーフ団のリザーブにはジャック・ストラトンが入る。昨季はリーグ戦6試合の出場にとどまったが、カテゴリAに移行した今季は先発3試合を含む全試合に出場している。

前節はスクラムハーフで先発し、選手の入替後はスタンドオフを担った。一つの試合の中で9番と10番の役割を遂行できる、岩村昂太キャプテンいわく「ラグビーIQの高さ」も強みのプレーヤーだ。

二つのポジションを掛け持ちするようになったのは現在の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)に所属していた時期からだという。そこには、ストラトンがクルセイダーズなどでプレーしたニュージーランド時代から付き合いのあるジョー・マドック(当時、BL東京アシスタントコーチ)の存在があった。

「ジョー(マドック)は私のことをよく知っていたので、このような起用を考えたのかもしれません。BL東京のスクラムハーフ、小川高廣選手から多くのことを学びました。自分は体が大きいので、その強みも生かすようにしています」

そんなマドックは昨季、アシスタントコーチとして相模原DBに加入し、ストラトンもマドックと同じタイミングで相模原DBに加入、チームは攻撃面での進化を見せた。ストラトンの出場機会が増えることによるチームの変化にも注目したい。

「ジョーのコーチングのやり方やどんなふうにプレーしてほしいのかを分かっているつもりなので、自分も自然に(周囲を)サポートできているかもしれません」と明かし、二つのポジションを担うメリットをこう説明する。

「9番が10番に何を求めているのか、10番は9番に何を求めているのかが分かります。自分が(岩村)昂太の外側でプレーしているとき、ジミー(ジェームス・グレイソンの愛称)の内側でプレーしているとき、それぞれ逆の選手がもっとラクにプレーできるように意識しています」

高校時代に勉強を始めたという日本語も上達している。

「カテゴリAになるためにすごく努力をしました。カテゴリBの間はさまざまな良い選手がたくさんいたので、(外国人選手枠の問題で)プレーしたくてもできないときがありました。今シーズンはチャンスが増えてうれしいです。チームのために全力を尽くします」

来日6シーズン目、真価を発揮するときがやってきた。

(宮本隆介)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧