2025.02.14[BR東京]信じて、泥臭く。インターナショナルプレーヤーの指針

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2025年2月15日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 浦安D-Rocks

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

「自分たちで自分たちを信じる」ということが、15人でプレーするラグビーでは簡単ではない。そのことを知っているからリアム・ギル選手は「声掛けを続けたい」と

リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)が江東区夢の島競技場に浦安D-Rocks(以下、浦安DR)を迎える第8節。

現在の順位は、BR東京が勝ち点5で11位。浦安DRが勝ち点4で12位。ともに今季2勝目を懸けた戦いは、2月15日14時30分にキックオフを迎える。

今季これまで全試合に先発出場。体を張ったプレーの数々が『タックル成功数99(リーグ4位)』という数字にも表れるリアム・ギルにとっては、昨季までプレーした古巣との初対戦でもある。

「順位的にもお互いがターゲットにしている一戦。タフな、腕相撲のような(拮抗した)試合になるのではないか」と期待を込めた。

ニュージーランド代表89キャップのTJ・ペレナラ、そしてオーストラリア代表15キャップのギル。世界を知る二人がいま、勝利を呼び寄せるために必要だと口をそろえるのは「自分たちで自分たちを信じる」という言葉だった。

「後半も一貫性を保ち続けること。そして勝てると信じること。このチームは長いこと優勝を経験していないので、勝てると信じられるような結果がやっぱり必要です」と説いた。

だからこそギルは、プレーで『信じる力』を体現する。毎試合で見せるその献身的な働きは、BR東京が大切にする『泥臭さ』に、どこか通ずるものもある。

「東京サントリーサンゴリアス戦で、僕たちは勝てるんだというプライドを示すことができました。だからこそ『自分たちのプロセスを守れば勝利につなげていけるよ』、という声掛けを続けたい。『悪い流れは断ち切ることができるんだ』、ということを言い続けたいと思います」と話した上で「ペレナラと僕は、このチームにとってのインターナショナルプレーヤー。僕たちが毎週高いレベルを見せ続けて、そしてみんなを引き上げていけるような、そんなプレーが必要」と背筋を伸ばした。

前節で課題に上がったのは、16を数えたペナルティの数。今週はノットロールアウェイやオフサイドに対する改善メニューを取り入れ、また不安定さのあったセットピースにも「かなり時間を掛けた」とギルは言う。

「1月、2月はシーズンの中で最も、ポジティブであり続けることが難しい時期でもあります。だから良いメッセージをしっかりと伝え続けること、『細かいところでは良い成果が出ているんだよ』と伝え続けることに注力しています」

反省、のち改善。

自分たちを信じ、BR東京は今週もまた立ち向かう。

(原田友莉子)

2025.02.14[浦安DR]毎朝6時半にクラブハウス着。プロ意識の塊、サム・ケレビ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2025年2月15日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1 カンファレンスA)

今節も力強いボールキャリーが見られるか、サム・ケレビ選手

前節で今季初勝利を挙げた浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が、次に狙うのはもちろん連勝だ。今節は、勝てば順位が入れ替わるリコーブラックラムズ東京とのビジターゲームに挑む。

浦安DRとしてクラブ史上初のディビジョン1での勝利を挙げた先週の三重ホンダヒート戦、13,604人の観客が最も沸いたのは後半20分にシェーン・ゲイツが決めたトライの瞬間だった。約70mを全力疾走した末の決勝トライ。ネイビーとイエローで染まった秩父宮ラグビー場は大きく揺れた。

ただ、そのシーンを少し巻き戻して見ると、もう一人の立役者が浮かんでくる。タックルに来る相手をまったく寄せ付けず、自陣深くから圧巻のボールキャリーを見せたサム・ケレビである。

「ゲイツのスピードに定評があるのは分かっていましたし、相手も速い選手だったので、自分は最初の20mだけを頑張って、あとは任せました」

そうやってケレビは涼しい顔で言うが、この男のボールキャリーは、いつもチームを助け、スタジアムをどよめかせる。まさにワールドクラスの、お金を払って見る価値のあるプレーと言える。しかし、本人からすれば、“自らの役割を全うしているに過ぎないよ”と、言わんばかりに笑顔で続ける。

「それが自分の仕事だからね。アタックでもディフェンスでもチームに勢いをもたらすことが自分の仕事。そのために契約してもらっていると思っているよ」

それでも、その圧倒的なフィジカルと抜群のスピードを保つための、努力を欠かさない。「才能と努力の両方が必要」というケレビは、毎朝6時半にはクラブハウスに到着し、ルーティンの筋力トレーニングに励んでいる。

「自分はフィジー人なので恵まれた遺伝子もあると思うけど、その遺伝子もハードワークがないと生かせないからね。重いおもりを上げることも大事だけど、瞬発力を鍛える動きも大事。チームとして組んでいるメニューの中でどれだけ上位に食い込めるかを意識しているよ(笑)」

連勝、そして最下位脱出へ。「自分の仕事をやり続けた先の副産物として勝利が待っていると思うから、勝利も大事だけど、それ以上に過程を大事にしたい」。浦安DRが誇る“心優しき怪物”は、チームのため、勝利のため、ボールを前に運び続ける。

(須賀大輔)

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