NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2025年2月22日(土)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

現在3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に、4位の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)が挑む上位直接対決。S東京ベイが20連勝と強さを見せる“えどりく”(スピアーズえどりくフィールド[江戸川区立陸上競技場])でリーグワンでは初めての黒星をつけ、前半戦を良い形で折り返したい大一番だ。
その難敵に勝つには「やっぱりフォワード勝負になると思います」と強い意気込みを見せるのが、開幕から全試合に1番として先発を続けている山下憲太だ。
法政大学時代にはフランカーを務めていたが、サイズがそれほどないこともあり、2021年に静岡BR(当時はヤマハ発動機ジュビロ)に加入してからフッカーにコンバートされた。
だが、なかなか出場機会がつかめず、2022シーズンは2試合、2022-23シーズンは0試合と苦戦が続いた。2023-24シーズンからは自ら志願して1番に転向して徐々にチャンスをつかみ、8試合に出場。だが、まだ途中出場がメインだった。
それでも今季に入ってからは完全に序列を覆し、藤井雄一郎監督からは「タックルもいいし、スクラムもいいし、アタックもいい。けがしてほしくない選手の一人です」と厚い信頼を獲得している。
そんな山下が、序列を覆すためにプレシーズンで最も力を入れたのが、スクラムの強化だった。長谷川慎アシスタントコーチや田村義和アシスタントコーチからどん欲に多くを吸収しながら、首や背中を中心に肉体強化にも努め、体重も昨季より10kg以上増加。体型もプロップらしくなった。コーチ陣のアドバイスで心に残ったことについて、山下は次のように語る。
「僕はセットアップのときに自分でどうにかしようとガツガツしていたんですけど、『もっと周りを頼れ』と言われました。僕は、押される原因も全部自分のせいだと思っていたんですけど、そうじゃなくて周りと合ってなかったのかもしれないし、スクラムは8人で作るものなんだと。だからもっと周りと話したほうがいいと言われて、自分からもいろいろ話すようになって良くなった部分は多いと思います」
そうしてスクラムが強くなると、今度はフランカーで培った強みが大いに生きてくる。
「タックルやボールキャリーは僕のアドバンテージだと思いますし、『プロップになるな』とずっと言われています。スクラムでしっかりと自分の仕事をした上で、プロップらしくないプレーをすることで自分は試合に出られると思うので。そこはほかの人たちより突き抜けていきたいです」
隣でスクラムを組むフッカーの日野剛志も「(山下は)もともとフィールドプレーはすごく良いし、レヴズの1番としてスクラムで高いスタンダードを出せているから試合に出られていると思います。すごく成長しています」と証言する。
山下本人も「スクラムにこれだけ情熱を注いでいるチームでポジション転向できたのは、自分にとって本当に大きなことだと思います」と感謝の思いを口にした。
そして最後に「S東京ベイもスクラムは本当に自信を持って組んでいると思いますし、バック5は相当大きくて重いので、僕ら1列目が組み勝つことが本当に大事だと思います。絶対にスクラムで勝って、チームを勢いに乗せて前に出たいと思います」と勝利への貢献を誓った。
(前島芳雄)