2025.03.01[神戸S]「歴史を変えたい」と誓う気鋭のタックラー 19試合に及んだ連続未勝利に終止符を打つ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2025年3月2日(日)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

ティエナン・コストリー選手

5位に順位を上げてきたコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)。3月2日のディビジョン1第10節で対戦する首位・埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)とのリーグ戦戦績は、ジャパンラグビー トップリーグ時代の2003年12月に勝利して以降、19試合連続未勝利(1分18敗)。大きな壁として立ちはだかる存在だが、6番で先発するティエナン・コストリーは「今週こそ(歴史を)変えたい。タックルでまず止めて、行きますよ」と腕を撫した。

そのタックルの質と量に注目だ

そのコストリーは現在、タックル成功数でD1の4位につける。1位のリーチ マイケルらに続く128回は堂々の数字だ。技術的な部分は日々のトレーニングで「自然とクセになっていく」と話した上で、神戸Sが誇るタックラーは「メンタル」の大切さを強調する。

「一個一個が個人的なバトルです。この間、(ブロディ・)レタリック選手がチームに伝えていたんですけど、『いいな』って思ったんです。真正面から来た相手に対して『俺はこういうタックルができる』と自分を主張して、絶対に負けたくないと思っています」

‟寝て起きて”の遂行にも妥協はない。「タックルしてラックの下で寝ていると、次の2フェーズくらいはディフェンスラインに入っていないのでタックルができません。倒したあとにはすぐに立ち上がって、もう一回行けるように。そういう意識がチーム全体で高い」。タックルそのものの質と向き合いつつ、24歳のマインドにはハードワークの意志が標準装備されている。

オフシーズンは日本代表で経験を積み、国際基準のフィジカリティーの大切さを受け止めた。持ち味のランやスピードを生かすことを前提に、バランスを考えながら体重を増量。数年後も見据えた一貫性のあるジムトレーニングで肉体強化に励む。

「リーグワンには毎試合、めちゃくちゃ強い対戦相手がいますし、経験を重ねてどんどん成長していきたい。埼玉WKには(ダミアン・)デアレンデなど、強いキャリアーがたくさんいます。チャレンジと思って頑張りたいです」

無敗の首位チームの進撃を堂々と止め、気鋭のタックラーは自らの存在感を高らかに主張してみせる。

(小野慶太)

2025.02.28[埼玉WK]“ドラゴン”の愛称をもつキャッチの達人がコク深いプレーでファンをうならせる

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2025年3月2日(日)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs コベルコ神戸スティーラーズ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

日本代表14キャップの野口竜司選手。ハイボールの処理には定評がある

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は、3月2日(日)14:30キックオフとなるディビジョン1第10節でコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)と対戦する。折り返し地点を首位でターンした8勝1分の埼玉WKが、4勝5敗の5位神戸Sの挑戦を受ける。

前節、野口竜司が今季初トライを決めて勝利に貢献した。守備の砦として突風の中でキック処理のタスクを果たしながら、前半20分、後半29分に2本のトライを決めてみせた。今季は第2節まで山沢拓也がフルバックに入ったが負傷離脱。その後は“ドラゴン”の愛称をもつ野口がフルバックの主軸を務めている。

「個人のトライへの意識はなく、チームの勝利に貢献することを考えている。攻守の役割を果たした結果がトライにつながっていく」

キャッチの達人。相手のキックを的確に処理して守備の安定を図るとともにアタックの起点になっていく。小学校時代にソフトボールとサッカーの経験があり、グラウンダーのさばき方、ボールの落下予測、キック感覚が養われたという。

「キャッチへの意識はあまりないが、的確なポジショニングからのボールの予測と、その場所にいかに速く走るかを考えている。前で体を張ってくれている選手がいる中で、自分のエリアで役割を果たしたい」

D1は今節から後半戦へ向かう。埼玉WKは今季メンバーが入れ替わった上でけが人などの影響もあり日替わりメンバーになっているがここまで無敗で突き進んでいる。

「このチームは誰が出ても同じプレーができるスタンダードがある。優勝に関しては、2年連続(プレーオフトーナメント)決勝で負けているぶん、どのチームよりも思いは強い。ただ、ラストへ向けてやっているわけではなく、一戦一戦でスタンダードを上げてチームとして成長していくことが大切。その結果が最後につながると信じている」

最近の趣味は、コーヒー。練習後やオフには、自身でコーヒーを淹れてリラックスした時間を過ごす。家庭用焙煎機で自分好みのコーヒーを作ることもあるとか。「焙煎は本当に難しくて、同じようにやっても豆の状態や温度などでまったく味が違ってくる。それぞれの個性を合わせる意味ではラグビーに通じるところがあるかもしれない」。

野口は最高のプレーを追求すべくグラウンドに立つ。今節もラグビーフリークをうならせる“コク”のあるプレーを見せてくれるはずだ。

(伊藤寿学)

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