2025.03.13[浦安DR]“あの日”味わえなかった歓喜のために。タックラーとして抱く覚悟

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月14日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

浦安D-Rocks(D1カンファレンスA)

出るか、強烈タックル。浦安D-Rocksの繁松哲大選手(写真中央)

浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が今季2勝目を懸けて、秩父宮ラグビー場でクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦する。キックオフは、14日(金)の19時。今節唯一の平日ナイトゲームであり、1万人以上の集客も期待される注目の一戦だ。

“あの日”以来、スターティングメンバーに繁松哲大が名を連ねた。

同じく秩父宮ラグビー場で行われた2月8日のディビジョン1第7節・三重ホンダヒート(以下、三重H)戦で、今季初出場を先発で飾った繁松は、前半24分に190cm/111㎏のパブロ・マテーラに強烈なタックルを見舞う。しかし、後頭部をグラウンドに叩きつけられる形になって脳振盪を起こしてしまい、そのまま救急車で搬送。チームの初勝利は病院のベッドの上で知ったという。

「あのタックルに入った時点で覚えていないですね。『かますぜ』くらいの感じでいったと思いますけど、(相手の)どこかが、がっつり(顔付近に)入ってしまって、目覚めたら天井を向いていました」

そう言って、その瞬間を振り返る繁松は「でも、しっかりときれいな入り方をしていれば脳振盪にもならなかったと思います」と続け、今節に向けて“タックラー”としての覚悟を決めている。

「もし、また同じ状況になっても逃げることはないですし、もう一回脳振盪になるとしても止めにいくと思います。どんなにデカい相手が突っ込んできてもタックルにいきます」

チームはその三重H戦で初勝利をつかんで以降、好ゲームを演じながらも2勝目が遠い状況が続いている。その中での先発復帰に繁松も言葉に自然と熱がこもる。

「前節は立ち上がりが悪かったので、今節は入りからいい雰囲気でできるように、自分のタックルやブレイクダウンで勢いを付けたいです。自分は体が大きくないですけど、だからこそ体を張るしかないですから」

“かます”準備はできている。あの日から約1カ月、今度こそはチームメートとファンと一緒に歓喜の瞬間を味わうために、そのクリーンで力強いタックルで繁松はチームに勝利を呼び込む。

(須賀大輔)

2025.03.13[S東京ベイ]勝利の選択肢以外、介入の余地なし。古巣戦に臨む男が見せるワークレートへのプライド

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月14日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのタイラー・ポール選手。「相手が古巣のチームということで、とてもエキサイトしています」

さかのぼること3年前、現在のジャパンラグビー リーグワン発足初年度のシーズンに、彼は対戦相手としてクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に触れている。2022年3月27日、新潟県で行われたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ対NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(現・レッドハリケーンズ大阪。以下、RH大阪)の一戦。この試合にRH大阪のナンバーエイトとして先発出場していたタイラー・ポールは、当時をこう振り返る。

「彼ら(S東京ベイ)が圧勝した試合でした。S東京ベイは常にチームとしてまとまっていて、強いフォワード陣がいて、試合を支配しようとし、スクラムもモールも強い。そして、与えられたチャンスを生かせるクイックなバックス陣がいる。そういう印象でした」

このころタイラーが抱いていたS東京ベイのイメージ像は、いまもほとんど変わっていないという。また、S東京ベイのルアン・ボタは南アフリカのシャークス在籍時代のチームメートで、同じく南アフリカ出身のデーヴィッド・ブルブリングは同郷の選手。「彼らとは試合後に話し、S東京ベイの文化やチームについて良い話を聞いていました」とも。

2020年にRH大阪に入団し、チーム再編に伴い2022年には浦安D-Rocks(以下、浦安DR)に加入。S東京ベイとはホストエリアが近いチーム同士ということもあり、プライベートでは「(S東京ベイの)外国人選手たちとコーヒーショップなどでよく顔を合わせていました」。そのため、2024年のS東京ベイ入団後はチームにスムーズにフィット。今季は開幕より連続出場し、初戦のトヨタヴェルブリッツ戦ではトライも挙げている。

「開幕戦に先発で出場できたことはとても誇らしく、うれしかったです。チーム全体、そしてファンのために良いパフォーマンスをしなければという責任を感じました」

しかし、第5節のリコーブラックラムズ東京戦で負傷。復帰の舞台となるのが、今節の浦安DR戦である。

「またフィールドに出られるのが楽しみですし、相手が古巣のチームということで、とてもエキサイトしています。浦安DRの選手のことはよく知っており、少し個人的な感情が入るかもしれませんが、準備に関してはほかの試合と同じように臨みます。私個人にとっても良い挑戦になると思います」

今季は開幕からフランカーで出場してきたが、今節はナンバーエイト。「ワークレートの高さにはプライドを持っています。どのポジションでも、チームに貢献したいです」とポールは語る。そのひたむきさと高い意欲は、勝利以外の選択肢が介入する余地を残さない。

(藤本かずまさ)

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