2025.03.13[BR東京]BR東京に備わるスクラムという確かな武器。“事務機ダービー”でも盤石のリレーを見せつける

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月15日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
横浜キヤノンイーグルス vs リコーブラックラムズ東京

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

リコーブラックラムズ東京の右プロップ、大山祥平選手

シーズン中盤戦に突入したいま、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)には大きな武器がある。ひと押しで試合の流れを変える、スクラムだ。

「スクラムに勝てば試合を優位に進められるので、目標としてはペナルティを取りたい。その回数を増やせていることがいまの僕たちの成長です。たとえ少し悪いスクラムになっても、すぐに『次はどうしようか』と話し合えています」

6試合連続先発中のプロップの大山祥平は、うれしそうに、そして、誇らしそうに言った。

後押しする要素はいくつかある。フロントローの選手たちは同世代が多く、感じたことを素直に言い合える間柄がプラスに作用する。また練習では先発対リザーブで組み合い、先発メンバーにとって、相手の3番には、オーストラリア代表で3キャップを有するパディー・ライアンが立ちはだかる。

「パディーはめちゃくちゃ強いので、その存在自体がプラスになっています。彼より強い3番は、なかなかいません」

試合よりも高強度でスクラムを組み合える環境が、ここ数試合で好調を維持する最大の要因だと大山は説明した。

若手のフロントローたちは、こぞってライアンを崇める。そのライアンはBR東京に加入した3年前に本格的な日本語学習を始め、昨年には『日本語能力試験N4』に合格した日本語力の持ち主だ。

「日本人がオーストラリアに来てラグビーをするときには、英語を勉強してほしい。だから、僕も同じことをしないといけないと思いました」

ノートには漢字が並び、スタッフへの返事も日本語を心掛ける。他国の代表歴を有するカテゴリCの36歳が、日本語を操りたい気持ちをもつことが、円滑なコミュニケーションを生み出している。

「誰が何を感じて、相手は何をしてきているのか。いまどういう状態にあるのか、コミュニケーションを取ることが大事です」

右プロップのリザーブにはパディー・ライアン選手が。かなりの日本語力を身につけているという

今節の相手は、ジャパンラグビー トップリーグ時代から“事務機ダービー”として熱きバトルを繰り広げてきた横浜キヤノンイーグルスである。

「順位の面でも会社にとっても、すごく大切なゲームです」(ライアン)

この試合でも先発の大山がスクラムを安定させ、後半はライアンがトドメを刺しにいく。第11節は3月15日(土)、14時30分に秩父宮ラグビー場でキックオフする。

(原田友莉子)

2025.03.13[横浜E]これまでもこれからもタックルして起き上がっての連続。嶋田直人は“有終の美”まで駆け抜ける

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月15日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
横浜キヤノンイーグルス vs リコーブラックラムズ東京

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

今季限りでの引退を表明している横浜キヤノンイーグルスの嶋田直人選手

第10節を終えた時点で5勝5敗と戦績が五分である横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)とのホストゲームを戦う。

ディビジョン1の公式戦がなかったバイウィーク期間中の3月7日。イーグルス一筋11年目の“ワンクラブマン”嶋田直人が、今季限りで現役を退くことを表明した。横浜Eからの正式リリースが発表される前の全体ミーティングでのこと。嶋田本人の口から現役引退をチームメートに告げると、普段はイジってくる仲間たちから、「もっと(現役を)やってください」と懇願されたことがうれしかった。

「もうそろそろかな…」と“現役引退”の文字が頭に浮かぶようになったのは、ここ数シーズンのこと。また、昨季が終わると、クラブスタッフからあと2キャップでジャパンラグビー トップリーグ・リーグワン通算100キャップに到達することが告げられた。節目の記録を達成するシーズンが引き際かもしれない。現役引退の決め手について、嶋田があらためて口を開いた。

「通算100キャップという大きな節目が見えた中で、それを取って現役を終えてもいいかもしれないと思いました。イーグルスの生え抜き選手として初めての記録を達成できたこと、また引き際やセカンドキャリアの準備期間も含めて、今季限りにすることを決めました」

2024年12月29日(日)、コベルコ神戸スティーラーズとの試合で100キャップを達成した

シーズン中盤のタイミングで発表した理由は、シーズン終了後の引退表明ではなく、まだホストゲームやプレーオフトーナメントを残している時点で発表することで、「スタジアムまで観に来ていただく機会を増やしたいという思いがある」ため。まずは現役引退発表直後に迎える第11節のBR東京戦に向けて、嶋田は集中力を研ぎ澄ませている。

なお、長らく“事務機ダービー”としてしのぎを削ってきたBR東京は「リコーにだけは負けんな」と植え付けられてきた相手。特別なライバルチームとの対戦を前に、フランカーで先発予定の嶋田は言った。

「タックルして、起き上がって、タックルして、また起き上がって、ブレイクダウンに参加することでチームに貢献したいです」

“現役ラストダンス”を飾る有終の美へ。「国立での優勝」を目指す嶋田から、最後の最後まで目が離せない。

(郡司聡)

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