NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月15日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
横浜キヤノンイーグルス vs リコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

シーズン中盤戦に突入したいま、リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)には大きな武器がある。ひと押しで試合の流れを変える、スクラムだ。
「スクラムに勝てば試合を優位に進められるので、目標としてはペナルティを取りたい。その回数を増やせていることがいまの僕たちの成長です。たとえ少し悪いスクラムになっても、すぐに『次はどうしようか』と話し合えています」
6試合連続先発中のプロップの大山祥平は、うれしそうに、そして、誇らしそうに言った。
後押しする要素はいくつかある。フロントローの選手たちは同世代が多く、感じたことを素直に言い合える間柄がプラスに作用する。また練習では先発対リザーブで組み合い、先発メンバーにとって、相手の3番には、オーストラリア代表で3キャップを有するパディー・ライアンが立ちはだかる。
「パディーはめちゃくちゃ強いので、その存在自体がプラスになっています。彼より強い3番は、なかなかいません」
試合よりも高強度でスクラムを組み合える環境が、ここ数試合で好調を維持する最大の要因だと大山は説明した。
若手のフロントローたちは、こぞってライアンを崇める。そのライアンはBR東京に加入した3年前に本格的な日本語学習を始め、昨年には『日本語能力試験N4』に合格した日本語力の持ち主だ。
「日本人がオーストラリアに来てラグビーをするときには、英語を勉強してほしい。だから、僕も同じことをしないといけないと思いました」
ノートには漢字が並び、スタッフへの返事も日本語を心掛ける。他国の代表歴を有するカテゴリCの36歳が、日本語を操りたい気持ちをもつことが、円滑なコミュニケーションを生み出している。
「誰が何を感じて、相手は何をしてきているのか。いまどういう状態にあるのか、コミュニケーションを取ることが大事です」

今節の相手は、ジャパンラグビー トップリーグ時代から“事務機ダービー”として熱きバトルを繰り広げてきた横浜キヤノンイーグルスである。
「順位の面でも会社にとっても、すごく大切なゲームです」(ライアン)
この試合でも先発の大山がスクラムを安定させ、後半はライアンがトドメを刺しにいく。第11節は3月15日(土)、14時30分に秩父宮ラグビー場でキックオフする。
(原田友莉子)