2025.03.20[埼玉WK]野武士のプライドを胸に戦う男は、「一瞬に集中」し、天王山の主役となる

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2025年3月22日(土)15:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

「どのチームも完成度が高まっている中で、今まで以上の準備が必要。ワンプレー、ワンプレー、その瞬間に集中するだけ」と語る、長田智希選手

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)がディビジョン1第12節のビジターゲームで東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)と対戦する。リーグ首位・埼玉WKと2位・BL東京との勝ち点差は3で、第7節の前回対戦は28対28のドロー。昨季準優勝の埼玉WKと、優勝のBL東京のバトルは激闘必至の“天王山”となる。

今季ここまで全試合にスタメン出場してきた日本代表戦士・長田智希。プロ3年目、シーズンごとに進化を遂げる長田は、チームの屋台骨を形成する一人となっている。野武士のプライドを胸に戦う男は、このゲームの意味を十分に理解している。

「けが人などの影響でスタメンが変わっている状況ですが、どの試合も与えられた場所で自分の役割を果たすだけ。どのメンバーが出ても同じ戦いができるのがワイルドナイツの強みです。シーズン終盤、ここからが本当の戦いだと感じています」

リーグワン初年度のプレーオフトーナメントは入団直後で、先輩たちがシャーレを掲げるのをスタンドから見守った。2023年1月にリーグワン初キャップを得ると、1年目には新人賞を獲得。列強の猛者がそろうチームにおいて、絶対的な存在となった。だが、昨季、一昨季はいずれもリーグ1位通過ながらプレーオフトーナメント決勝で敗れて涙を飲んだ。

「優勝したいのはもちろんですが、先を見るのではなく目の前の試合に向かっていくだけ。自分たちのラグビーを遂行した先に結果が付いてくると信じています」

ラグビーを始めたのは小学生のとき。サッカーチームにも入っていたが、ラグビーの魅力に取りつかれた。夢中で楕円のボールを蹴った長田は東海大仰星高校、早稲田大学での日本一を経て、埼玉WKへやってきた。「ラグビーはパス、キック、ランに加えてフィジカルなど多くの要素があり、それが大きな魅力です。プレーしていて楽しいし、自分に合っていると思います」。

今年1月には早稲田大学の後輩・佐藤健次がアーリーエントリーでチームに合流。先輩として後輩の面倒を見る姿も目立つ。「アーリーエントリーですぐに試合に出てパフォーマンスを発揮することは簡単ではない。ポジションが違うのでピッチ上での立場が違いますが、ピッチ外の部分でサポートできたらと思います」。

このBL東京戦は、今後のリーグ、そしてプレーオフトーナメントでの戦いを占う上で重要な一戦だ。「どのチームも完成度が高まっている中で、今まで以上の準備が必要。ワンプレー、ワンプレー、その瞬間に集中するだけ」。鉄人・長田が首位攻防戦の主役となる。

(伊藤寿学)


2025.03.20[BL東京]王者のエースはまるでロケット。首位攻防の頂上決戦、その豪脚が火を噴く

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2025年3月22日(土)15:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

首位決戦。ジョネ・ナイカブラ選手のトライ数にも注目が集まる

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は3月22日、秩父宮ラグビー場で埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と対戦する。

昨季のプレーオフトーナメント決勝(BL東京が24対20で勝利)以来の再戦となった第7節は両者譲らず28対28の引き分け。ハイレベルな名勝負を繰り広げてきた両雄は、今節でどのような戦いを見せるだろうか。

現在、トライランキングでディビジョン1トップに立つのがBL東京のジョネ・ナイカブラ。ここまで12トライを挙げ、第6節から6試合連続トライと好調を維持している。
それでも、日本代表17キャップをもつ30歳は静かに語る。

「セットピースからのサインプレーがうまく機能しているから、最後にフィニッシュする僕がトライを取れているのだと思います。個人としてはボールをもっていないときのワークレートを改善したいですし、ディフェンスの部分も伸ばしていきたいです」

BL東京はチャンピオンチームとして今季を迎えているが、ナイカブラは埼玉WK戦に向けて「チャレンジ精神で臨むことが一番大事」と強調する。

「埼玉WKはすべての基準が高いチームです。規律をしっかり守ることで相手のチャンスを減らし、すべての部分で勝てるようにチャレンジし続けます」

スイッチが入った瞬間にロケットのような加速で相手ディフェンスを置き去りにするナイカブラ。「一人だけ早送りしているのでは…」と錯覚するほどの足の回転の速さは圧巻で、観客席からは驚きの声が上がり、子供たちは熱狂する。

憧れの選手のように速く走りたいと願う子供たちへのアドバイスを聞くと、ナイカブラは笑顔で答えた。

「自分は意識して速くなったわけではないので、なんと言えばいいかわからないですが…。『ジャスト・ラン!』、とにかくいっぱい走ることです。ラグビーをやっているなら、相手につかまらないようにいっぱい走ってください」

昨季のプレーオフトーナメント決勝では2トライを決め、ラストプレーでは値千金のスティールを見せるなど縦横無尽に走り回ったナイカブラ。今季2度目の頂上決戦でも、BL東京のエースは一心不乱に走り続ける。

(安実剛士)

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