2025.03.28[BL東京]強さの秘訣はベテランの練習姿勢にあり。衰え知らずの36歳がグラウンドを切り裂く

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月30日(日)13:00 大和ハウス プレミストドーム (北海道)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 三重ホンダヒート

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

東芝ブレイブルーパス東京の豊島翔平選手。「BL東京は見ていてワクワクするようなアタックにこだわっているので、ワクワクしていただければ」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は3月30日、北海道札幌市の大和ハウス プレミストドームで三重ホンダヒート(以下、三重H)と対戦する。

BL東京は前節で埼玉パナソニックワイルドナイツを42対31で破り、ディビジョン1の首位に浮上した。その試合で今季初出場を果たしたのが在籍13年のベテラン、豊島翔平だった。

抜群のスピードと切れ味鋭いステップが魅力の豊島は、7人制日本代表としてリオデジャネイロ五輪の4位入賞に貢献。36歳となったいまも、キレのある動きで観る者を魅了している。

そんな豊島に年齢を重ねても衰えない身体能力について聞くと、頼もしい答えが返ってきた。

「ベテランだからといって何かを変えたことは一切ありません。ベテランだから練習の一部を抜く……ということをしていないことが、コンディションを維持できている要因の一つだと思います。体の変化は感じていません」

日々の練習を取材していて、いまのBL東京の強さはベテランたちの練習姿勢にあると感じている。チーム最年長、38歳のアニセ サムエラは試合と同じく練習でも体を張り、豊島と東海大学時代からの同期であるリーチ マイケルと三上正貴は練習メニュー間の移動でも先頭を走る。36歳の森太志は高い集中力でチームのレベルを引き上げる。彼らのそうした姿勢が、クラブの歴史と強化をつないでいるのだ。

今節で2試合連続のメンバー入りとなった豊島は、三重Hについて「すごいスキルをもっている選手が多いですし、チームとしての組織の強さもあります」と警戒し、「僕らがやることは何も変わらず、一つひとつのスキルを細かくやっていきながら、モメンタム(勢い)を維持してアタック、ディフェンスをしていきます」と表情を引き締めた。

北海道のファンに向けて「BL東京は見ていてワクワクするようなアタックにこだわっているので、ワクワクしていただければ」と笑顔を見せた豊島。キレキレのランを繰り出す“フレッシュなベテラン”の活躍にも注目してほしい。

(安実剛士)

2025.03.28[三重H]カギは経験と一貫性にあり。連敗を断つために必要な“勝者のメンタリティー”

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月30日(日)13:00 大和ハウス プレミストドーム (北海道)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 三重ホンダヒート

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

「週の初めから試合までのプロセスをこなし、感情に流されることなく、最後まで遂行し続けること」が大事だと、三重ホンダヒートのトム・バンクス選手

「幸運にも花粉症はもっていません。奥さんは少し苦しんでいますけど(笑)」

春の風が吹く練習場で、三重ホンダヒート(以下、三重H)のトム・バンクスはこう答えた。故郷のオーストラリアも花粉症の患者が多い国だが、彼にその悩みはないようだ。

三重Hは前節の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦で31対39と敗北。フランコ・モスタートにレッドカードが提示されたあと、立て続けにトライを許した結果、チームの脆さが露呈する形となった。

その試合で、バンクスはけがから復帰し、先発出場から80分間を戦い抜いた。リハビリの期間を振り返り、彼は次のように語る。

「負傷したときはイライラするもの。ただ、そのあとはすぐに切り替えて、治療ややるべきことに取り組みました。復帰できたことはうれしいです」

一方で、戦列に戻れた喜びとは裏腹に、チームの現状には複雑な思いを抱いている様子だった。

「いまの状態はうまくいっていません。スタンドで仲間の敗北を見るのはとても辛いですが、それを復帰するためのモチベーションに変えて頑張ってきました」

守備の乱れや不安定なプレーが続く中、浦安DR戦後のキアラン・クローリー ヘッドコーチはバンクスの復帰について「彼が経験をもたらしてくれる」と期待するコメントを残した。

その経験とは何を意味するのか。バンクスは以下のように説明する。「ゲームマネジメントの部分だと思います。パブロ・マテーラやフランコ・モスタートも経験がある選手なので、同じように期待が寄せられているはずです」。

さらに、いまの三重Hに必要なのは何かと訊ねると、彼は力強く答えた。

「一貫性です。週の初めから試合までのプロセスをこなし、感情に流されることなく、最後まで遂行し続けること。それが『勝者のメンタリティー』です」

3連敗という厳しい流れを断ち切るため、今節のビジターゲームは極めて重要な一戦となる。相手は東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)で、会場は北海道の大和ハウス プレミストドームだ。

「ニセコに行ったことはありますが、札幌は初めてです。ドームでのプレーは、雨や風の影響がないという点でも楽しみですね」とバンクスは話す。

「最も重要なのは毎週少しずつ改善すること。プロセスを80分やり続けることに集中します」

今週末こそバンクスが描く「一貫性」を発揮することができるだろうか。札幌で行われるBL東京対三重Hの試合は、3月30日13時にキックオフされる。

(籠信明)

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