2025.04.26[静岡BR]成長を実感する怪物フランカー。さらなる自信を積み上げるため、結果で体現を

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月27日(日)14:00 エコパスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 横浜キヤノンイーグルス

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

今季ここまですべての試合に出場し続けている、静岡ブルーレヴズのヴェティ・トゥポウ選手

前節、首位を走っていた東芝ブレイブルーパス東京に56対26で快勝し、プレーオフトーナメント進出を確定させた静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)。残り3試合はプレーオフトーナメントに向けて、いかにチーム力を高めていくかが大きなテーマとなる中で、今節は横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)を、エコパスタジアムに迎える。

今季初黒星となった横浜Eとの前回対戦(第4節)では、キック処理などでミスが目立ち53対35の完敗を喫したが、そこからチームとして大きく成長したことを証明する良い機会でもある。

その象徴となる一人が、ルーキーながら今季は全15試合に出場し、6トライを決めるなど攻守に大活躍しているヴェティ・トゥポウだ。

フィジー出身で高校を卒業したあとは、フィジー国内のアマチュアクラブでプレーしていたが、日本から訪れたスカウトの目に止まり、摂南大学への留学を誘われた。大学時代は多くのチームから注目される存在ではなかったが、当時、静岡BRでプレーしていた従兄のイシ・ナイサラニの縁もあって練習参加し、熱望していた日本でのプロ入りをつかんだ。

そして、静岡BRの水が合ったのか、アーリーエントリーとして出場した昨季から怪物ぶりを存分に発揮。190cm、124kgの屈強な体格ながらスピードも抜群で、フィジーの陸上競技全国大会でも活躍。100m走を11~12秒で走ったこともあるという。

藤井雄一郎監督も「代えの利かない選手というか、今季の(チームの)好調も彼の活躍による部分もあると思います。(大学時代は)無印だったと思いますが、ラインアウトも取れるし、アタックもディフェンスも両方できて、80分プレーできる。頭のいい選手ですし、人間性もいいし、まだまだ良くなってワールドクラスの選手になっていけると思っています」と太鼓判を押す。

同じくルーキーとして大活躍を続けている北村瞬太郎は、トゥポウについて「強いのはもちろん、一つひとつのプレーに華があってエンターテイナー的な選手だなと思います」と言う。強く、速く、スター性もある大器だ。

トゥポウ本人も「今季は全ゲームに出られている中で、たくさんのことを学べていると思います。特にシニアメンバーからいろいろ学べていて、ラインアウトでもスクラムでも、どこに走るべきかといった面でも、賢くプレーするというところは伸ばせていると思います。ディフェンスも、もっと成長させていきたいです」と自身の成長を実感している。

今週の横浜E戦は、その成長ぶりを結果で表わすべき戦いとなる。ここで勝ってさらに自信を積み上げれば、5月に始まるプレーオフトーナメントでより頼もしい姿を見せてくれるはずだ。

(前島芳雄)

2025.04.26[横浜E]逆転でのプレーオフトーナメント進出へ。“大団円”を迎えるべく、チームのプライドを示す

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月27日(日)14:00 エコパスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

「イーグルスのプライドを示したい」。横浜キヤノンイーグルスの竹澤正祥選手

7位からの逆転プレーオフトーナメント進出を目指す横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)とのビジターゲームを戦う。

2試合ぶりの勝利へ。バイウィークの横浜Eは先週末の4月19日にディビジョン2の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)と練習試合を実施。106対0の大勝を飾った江東BS戦で、インパクトあふれるパフォーマンスを披露した選手の一人が、ウイングの竹澤正祥だったという。「自分の仕事はできたんじゃないか」と自身を評した竹澤の奮闘が、沢木敬介監督の目に留まった。

直近3試合、外からチームメートの奮闘を見守ってきた竹澤は、ふつふつと試合に出たい欲が余計に募っていった。公式戦でチームの力になりたいという渇望が、練習試合での好パフォーマンスに直結し、今回のチャンスにつながった。

4試合ぶりの先発メンバーに名を連ねた竹澤は、静岡BRとの前回対戦ではハットトリックの大活躍。リーグワンでは自身初となるプレーヤー・オブ・ザ・マッチも受賞しているため、前回対戦の再現に期待が膨らむ。

1月11日の静岡ブルーレヴズ戦ではハットトリックの大活躍でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに

ただ、当時の大活躍はすでに過去の話。「まずは目の前の静岡BR戦に勝ちたい」と話す竹澤は、自らにプレッシャーを掛けるようにこう言った。

「自分の持ち味であるフィジカルを前面に押し出して、アタックでもディフェンスでも相手を制し、僕のプレーでチームに勢いを付けたいです」

長かったレギュラーシーズンも残り3試合。横浜Eはラスト3での3連勝フィニッシュを目指してチームが結束する中、竹澤は「(リーグ戦は)このメンバーでできるのもあと3試合」と物寂しげな表情でそう話した。

「みんなでチャンピオンを目指してきた」(竹澤)シーズンの“大団円”へ。試合2日前の全体練習を締める際のハドルで、ゲームキャプテンを務める庭井祐輔が口を開いた。

「80分後に笑っていられるように、そのためにハードワークをしよう」

まずはラスト3の初戦で白星発進を。「イーグルスのプライドを示したい」という竹澤の言葉は、チームの総意だ。

(郡司聡)

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