2025.05.01[相模原DB]結末はまだまだ先。ラガーマンとしてのときを刻み続ける“相模原DBのラスボス”

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年5月3日(土)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 東芝ブレイブルーパス東京

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

三菱重工相模原ダイナボアーズの大ベテラン、安江祥光選手。「使ってくれる限り、現役を続けたい」

「あの人はバケモンです」

今季、トップリーグ時代を含む公式戦通算50キャップを達成した細田隼都は、敬意を込めて安江祥光をこう評した。

安江は前節のコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)戦に後半5分から出場。フッカーとしてラインアウトの安定に貢献し、後半21分には密集からの素早いボールピックでトライゾーンに飛び込んだ。

第12節のトヨタヴェルブリッツ戦でトップリーグとリーグワン合わせて150キャップを達成したディビジョン1最年長の40歳。負傷者が続出しているフロントローのポジションでシーズン後半から出場機会を増やし、スティールやボールキャリーでも存在感を見せている。

チーム最多出場記録を更新し続けるリンディ 真ダニエルとともに、“つらくなったときに選手が彼らを見る”チームの精神的支柱だ。

安江は「年齢は気にしていません。グラウンドに立てば関係ありません」と口にし、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)の厳しいトレーニングをこなす姿で周りの選手を鼓舞し、試合に臨む若手には端的な言葉で勇気を与える。

2007年から17シーズンに及ぶ戦い。「自分が若手だったころと比べて、リーグワンは現役の外国人選手が加わり、とてもレベルが高くなっています」という環境で、トップレベルのスタンダードを維持し続ける秘訣について問うとこう返した。

「変わったことはしていません。体をほぐすためにサウナに行く回数が少し増えたぐらいで、マッサージはほかの選手よりも少ないくらいです。強い体に生んでくれた親に感謝です」

神戸S戦では、ジャパンラグビー トップリーグ・リーグワン通算最多出場記録を持つ山下裕史と同じグラウンドに立った。1歳下で神戸製鋼コベルコスティーラーズ(当時)でのチームメートとは試合後、「スクラムを組みたかったね」と話したという。

「横で聞いていた大畑大介さんは、『意味が分からない』と首を傾げていました。スクラムはラグビーの中のもう一つの競技だと自分は思っていて、バックスの選手には理解できないでしょうね」と安江は笑う。

帝京大学でともにスクラムを組んだ1学年下の後輩、“ラスボス”堀江翔太は昨季限りで引退した。

「来季は?」という問いに安江は、「考えていません。目の前の試合に集中しています」

相模原ギオンスタジアムでの今季レギュラーシーズン最後のホストゲーム、東芝ブレイブルーパス戦では先発に名を連ねる。

「使ってくれる限り、現役を続けたい」という“相模原DBのラスボス”は、ラガーマンとしてのときを刻み続ける。

(宮本隆介)

2025.05.01[BL東京]骨折さえも研鑽の時間に変えて。連覇に向けて頼もしい男が帰還

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年5月3日(土)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

手の骨折から復帰、東芝ブレイブルーパス東京の眞野泰地選手

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は5月3日、相模原ギオンスタジアムで、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)と対戦する。

ディビジョン1で9位の相模原DBは、プレーオフトーナメント出場の可能性を残しており、レギュラーシーズンの残り2試合に勝つことで“最後の1枠”を目指す。

同3位のBL東京にとっても重要な試合となる。プレーオフトーナメントで準決勝からの出場となる2位以内を確保するために、勝ち点を重ねたい。

BL東京の眞野泰地が5試合ぶりに戻ってくる。開幕からの12試合すべてに出場していた27歳は、第12節の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)戦でチームの勝利に貢献したあとに、メンバー表から姿を消していた。

「埼玉WK戦の前半15分ぐらいに右手を折ってしまって…」とほほ笑みながら振り返る眞野。その日は右手を痛めながらも後半23分まで出場していた。あらためて映像で振り返ると、ときおり右手を気にする素振りはあったものの、骨折の影響をまったく感じさせないプレーぶりだった。

「痛みだけならいけるのですが、タックルでバインド(両腕を回して相手をしっかりつかまえること)ができなかったので『これは折れているな』と思いながらプレーしていました」

自身も、チームも好調だったため、痛いアクシデントとなったが、眞野曰く「大事を取って」、4試合を欠場。グラウンドでは抜群の集中力が光る男は、この欠場期間も糧とした。

「この期間で個人にフォーカスできました。あらためてフットワークやパスを見直すことができて、シーズン中にこの経験ができたことは自分としてはすごくプラスだと思っています。けがをする前よりも良いプレーをしたいです」

どんなときでも、常にベストを尽くす眞野はチームメートからも、ファンからも信頼を集めている。自身の復帰戦に向けても「派手なことはせずに、欲張らずに、チームに与えられた仕事を徹底的にやり切ります」と、チーム優先の姿勢は変わらない。

骨折さえもプラスに変えて、目の前の試合に集中している眞野。連覇を狙うBL東京に頼もしい男が帰ってきた。

(安実剛士)

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