NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第2節
2024年12月28日(土)12:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田(D3)
開幕戦に勝利したヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のチーム内では「『タフマンズ』があれだけやってくれている」と称える声が多数挙がっている。
『タフマンズ』とは、試合のベンチ入りをしていないメンバーを指す。ヤクルトの商品『タフマン』に“タフで強靭な選手たち”という思いを掛け合わせた造語だ。小川正志共同キャプテンが「『控えメンバー』ではない呼称を」と考案した。
開幕戦の直前となった先週、その『タフマンズ』の中心にいた岡崎拓人のプレーや言動が鬼気迫っていた。仮想・ルリーロ福岡(以下、LR福岡)を演じる『タフマンズ』のパフォーマンスが高く、だから練習のクオリティーが上がっていた。
「最初はやっぱり悔しかったんです」
10歳からラグビーを始めて今年で20年目になる。その節目に、憧れたリーグワンの舞台に立てる高揚感があった。プレシーズンから懸ける気持ちは強く、メンバーから漏れたショックは大きかった。だが、すぐに切り替えた。
「自分は『タフマンズ』に選ばれたんだ」
プライドをもってやり切ろうと心に決めた。それを『タフマンズ』の全員が共有していた。
多田潤平共同キャプテンに「(岡崎)拓人がメンバーに入ることも大きいけれど、『タフマンズ』にいるときはグラウンド内外がすごくまとまるんだ」と伝えられたことも大きかった。帝京大学時代には選手兼主務の二役を任され、チームが一つになるために“目配り、気配り、心配りが大事だ”と徹底的に指導された。立場が変われば、それぞれがその立場でチームに最大限に貢献する。それができるのが“レビンズの強み”だと岡崎は心得ている。
開幕戦のLR福岡戦。L戸田は相手のアタックを次々と食い止め、流れを明け渡さなかった。仮想・ルリーロを演じた『タフマンズ』の戦略や強度が奏功する光景を、岡崎は仲間と抱き合って喜んだ。
岡崎は今週末の第2節・クリタウォータガッシュ昭島戦のリザーブメンバーに選ばれた。地元の神奈川でのビジターゲームを前に、「今週の『タフマンズ』が怖いんです」と岡崎が笑った。
「『タフマンズ』は上がっていくだけだから、向かってくる。失うものがない彼らが一番強いんです。僕らが下手なパフォーマンスを見せれば立場を取って変わられる。そんな緊張感がありつつ、試合では『タフマンズ』のために勝たなければ、と思わせてくれるんです」
12月28日、岡崎がリーグワンで初キャップを刻む。見守る家族や友人のために、『タフマンズ』のために、やってやるぞと燃えている。
(鈴木康浩)