2024.12.27[SA広島]見ていて楽しいSA広島のラグビー。無論、それは選手たちも──

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第2節
2024年12月29日(日)12:00 JIT リサイクルインク スタジアム (山梨県)
狭山セコムラガッツ vs マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

202cmのロック、アンドリュー・デビッドソン選手。開幕戦では2トライでプレーヤー・オブ・ザ・マッチに

開幕戦の『広島ダービー』でマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の新戦力たちが躍動した。

リーグワンのデビュー戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出される活躍を見せたアンドリュー・デビッドソンは、顔いっぱいに笑みを浮かべて試合を振り返る。

「素晴らしいゲームでした。チームメートと一緒にしっかりタックルもキャリーもできたし、何より楽しめたことが一番良かったです。最初の試合で自分がプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれてとても光栄です」

SA広島のディビジョン2に昇格したいという強い思いに心を動かされて来日することを決めたスコットランド出身のフォワードは、「ラグビーをまず楽しみたいし、D2に昇格する目標は何としても達成したいと思っているけど、みんなが掲げた目標に向けてしっかりと練習している。ここはとても居心地がいい」と言って準備を続けている。今節も力を存分に発揮してくれるはずだ。

ルーキーの福山太陽にとっても会心のデビュー戦だった。

「チームみんなでいいディフェンスができて、個人的にも活躍できて良かったです。タックルが得意なので何回もタックルに行こうと思っていました。うまく決まって良かったです」

大学卒業後も大好きなラグビーを続けるため、リーグワンの各クラブに自分のビデオを送って可能性を模索した。その中で好評価をくれたSA広島への入団が決まり、ラグビーをできることがうれしくて仕方ない23歳は、「自分は体が小さいけど、でっかいヤツを止めるのが本当に楽しい。次の相手は外国人選手がキープレーヤーになると思うので、そこにしっかりとタックルしていきたいです」と勇んでいる。

次の試合を待ち遠しく思っているのは新加入選手たちだけではない。30歳になって新シーズンを迎えた﨑口銀二朗も「今季は自分のことに集中して、まず自分が楽しめるように準備してきたことで、非常に良い状態で開幕を迎えることができた」と言い、「若い選手たちも伸び伸びと楽しくやっているように見える。みんながやっていて楽しいと感じられているんじゃないか」と充実感を覗かせる。

今季のSA広島は選手みんながラグビーを楽しんでいる。だから、試合を見ていてもとても楽しいのだ。

(寺田弘幸)

2024.12.27[狭山RG]クラブの歴史を知るシニアリーダーは、勝って喜びを届け、文化を引き継ぎ、伝えていく

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第2節
2024年12月29日(日)12:00 JIT リサイクルインク スタジアム (山梨県)
狭山セコムラガッツ vs マツダスカイアクティブズ広島

狭山セコムラガッツ(D3)

リーグワンでの初陣を見事な勝利で飾った狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)が、開幕戦で8トライを挙げて、圧倒的な攻撃力を見せつけたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)と対戦する。開催地は山梨県のJITリサイクルインク スタジアム。リーグワンの公式戦が行われるのは初めてとなる。

狭山RGのキャプテン・飯田光紀にとっては地元凱旋の舞台となるはずだったが、開幕戦での負傷の影響で、今回はメンバー外となった。地元ファンには残念な知らせとなるが、2連勝を狙うチームメートたちのプレーを思う存分体感してもらいたい。

その中で期待したいのが、飯田に代わりゲームキャプテンを務める髙島理久也だ。入社8年目を迎えるシニアリーダーは、正確なパスと的確な状況判断が魅力だ。試合中、強い風が何度も風向きを変える難しい環境となった開幕戦でも、見事なパスを連発した。「風の強さはそこまで気にしていませんでした。プレーの中で少し風に負けてしまう場面もありましたが、しっかりと修正し、相手のエリアに入っていけたので良かった」と振り返る。白星スタートには安堵するが、SA広島戦に向けては気を引き締める。

「キャリーも強く、フィジカルに長けた外国籍選手も多い。だからこそ、一人ひとりのタックルの精度をより高めなければならない。ディフェンスの部分はかなりキーになるので、試合までにチーム内でも意識を統一していきたい」

小学生からラグビーを始め、約20年の歳月が流れたが「やってきて一番の喜びは、勝ってチームメートと喜びを分かち合えること。そして、応援してくれる人たちも一緒に喜んでくれるところが醍醐味」と語る。リーグワン参入前の苦しい時期も知っているが「僕には先輩たちが築き上げた文化をしっかりと引き継ぎ、それを後輩たちに伝えるという役割があると思うので、そこもしっかりとやっていきたい」と強いリーダーシップも見せた。それでも「あまり気負いすぎるとダメなタイプなので、周りにも頼りながら、自分の仕事を貫きたい」とも話した。

どちらも開幕2連勝が懸かるこの一戦。激しい攻防が予想されるだけに、ミスを少なくすることも勝利へのポイントになるだろう。

(松野友克)

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