2025.04.17[中国RR] “魂を燃やす”のが己のアイデンティティー。相手に立ち向かうプレーが仲間を熱くする

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第13節
2025年4月19日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ vs 狭山セコムラガッツ

中国電力レッドレグリオンズ(D3)

中国電力レッドレグリオンズの石渡健吾選手。「相手は全員僕らよりでかいけど、それを僕が前で止める。それが一番楽しいところです」

魂が燃えている。

昨季の長期離脱から復帰を果たした中国電力レッドレグリオンズの石渡健吾は、今季これまで8試合に出場。完全復活を遂げて、第9節からはスタメンの座もつかんでいる。

「いまは誰が出てもおかしくない状況で、僕が出るのも確約されているわけではない。選んでもらったからにはやらなきゃいけないというマインドでやっています。自分が絶対にスタメンで出られる保証がない立ち位置だからこそ楽しい。その中で先発メンバーに選んでもらえているので、試合ごとに反省点が出るし、成長も実感できています」

27歳のフランカーは充実の日々を送っているが、チームはシーズン終盤に来て、現在4連敗と失速。特に直近2試合はチームとしてかみ合わず、悔しい敗戦が続いた。今季のレギュラーシーズンも残り3試合。石渡は、「もう負けられない。ここでやらなかったらダサいまま終わってしまう。だから、魂はもうめちゃくちゃ燃えています」と気合いを入れ直す。

「魂」は石渡を象徴する言葉だ。由来は東京高校時代にさかのぼる。

「東京高校といったらタックル。みんながタックルをおかずにして米を食べているぐらい。高校で一番学んだことはスキルとかももちろんあるけど、タックルにいくかいかないかの気持ちの部分。強い相手を前にサボることもできるけど、自分であえてそういう相手に向かっていってタックルすることもできる。そこでタックルにいく気持ちを表すのが魂。僕のマインドの原点にあるものを言語化したのが魂です」

高校から同じ道を歩む後輩の青木智成は、「(石渡は)誰よりも体を張るからすごい。あの人がグラウンドにいれば、おのずとチームも盛り上がるので、僕らにとってもあの人は魂です」と力説する。

今節は過去2敗している狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)とのホストゲーム。5試合連続で先発出場の石渡は燃えている。

「(狭山RGは)攻撃力があるし、力強い選手が多い。でも、そういう選手に立ち向かわなかったらダサいじゃないですか。だから、やるしかない。相手は全員僕らよりでかいけど、それを僕が前で止める。それが一番楽しいところです」

強敵に対して先陣を切って武器のタックルを突き刺す。グラウンドで見せる石渡の熱いプレーが仲間の魂も燃やす。

(湊昂大)

2025.04.17[狭山RG] さらなる信頼を勝ち取るために。課題と向き合い、大きな波に乗る

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第13節
2025年4月19日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ vs 狭山セコムラガッツ

狭山セコムラガッツ(D3)

狭山セコムラガッツの水谷健人選手が考える、リザーブから出場する際の心構えとは?

首位浮上とはならなかったが、これまで2連敗と苦渋を味わわされたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)に前節は勝利。D2/D3入替戦圏内の2位以内確保へ大きく前進した狭山セコムラガッツが、今節はビジターで中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)と対戦する。

前節のSA広島戦で、うれしさと悔しさの両方を味わった水谷健人にフォーカスを当てたい。今季は全試合に出場し、フィジカルの強さを見せつけてチームに貢献してきた。そんな中でSA広島戦では、途中出場でプレー時間はわずかに数分だった。

「大切な試合だったこともあり、もっとプレーをしたかった気持ちは強かった。でも、自分自身のレベルアップの余地も再認識できたので、ヘッドコーチが先発でも、途中出場でも自信をもって送り出せる選手として、もっと信頼を得なければいけないと思いました」

自身の課題として挙げるのはタックルだ。「求められているタックルには、ずっとフォーカスして練習をしてきました。数字としていい結果も出せていますが、クオリティーの部分をさらに高めて、チームの流れを変えられるようなパフォーマンスが出せれば、課題のクリアにつながると思っています」

リザーブメンバーとして試合に臨む際には、次のような心構えがあるとも教えてくれた。

「チームが勝っていれば、その状況で必要なプレーを確実にやること。負けている状況なら、絶対にひっくり返すというエナジーをほかの14人に伝えられるように、インパクトのあるプレーをすることです」

神奈川県の湘南育ちで、父親の勧めで8歳から始めたサーフィンが趣味という水谷。「サーフィンをしているときが、一番リラックスできます。でも、大きい選手と対峙するときと、大きな波に向かっていく心境は似ている部分があるので、少しはラグビーにも役立っているのかもしれません(笑)」。

オンとオフがきちんと切り替えられるからこそ、強いメンタルも身につけられるのだろう。コーチ陣からのさらなる信頼を勝ち取るため、この試合で水谷がどんなプレーを見せてくれるのか、注目したい。

(松野友克)

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