NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D1/D2入替戦[D1 11位 vs D2 2位]第1戦
2025年5月24日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs 三重ホンダヒート
花園近鉄ライナーズ(D2)

ディビジョン2のレギュラーシーズンを2位で終えた花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が三重ホンダヒート(以下、三重H)とのD1/D2入替戦に挑む。
一時は入替戦進出が遠のいて崖っぷちに立たされながら、破竹の勢いでレギュラーシーズンを7連勝フィニッシュ。見事に入替戦の切符を手にした花園Lだが、結果にかかわらずチームは一つのサイクルにピリオドを打つことになる。
5月12日に今季限りで退団する17人が発表され、その中には花園Lが誇る世界的ハーフ団、クウェイド・クーパーとウィル・ゲニアの名も含まれていた。
チーム愛はもちろんだが、花園Lのパッセンジャー(花園Lファンの意)への思いを常々公言してきた二人にとっては最後のホストゲームとなる。今季のD2トライランキングでも2位につけたゲニアは、37歳とは思えないハイパフォーマンスを見せてきた。大一番を前に「D1に上がるパフォーマンスを見せるチャンスです」と静かに決意を口にすると同時に「Just enjoy(楽しむだけ)」と、彼らしい言葉を口にした。
オーストラリア代表でのプレーを含めて数々の大舞台をともにしてきたクーパーと花園Lの選手として東大阪市花園ラグビー場で共演するのは最後になるが、「重要なのはわれわれのことでなく、チームのことです」と私情は挟まず、ゲームコントロールだけを意識する。
一方の僚友はゲニアと過ごした大阪での日々について「われわれが加わったことでファンの層も変わったと思います」と話す。
クーパーは、7連勝の快進撃を支えた元オーストラリア代表コンビの自分たちについて「僕らは世界一負けず嫌い、それがあるからこそ、ここまでやってこられました」と胸を張る。
そんな”負けず嫌い”の二人が、1年前の入替戦で味わったD2降格の屈辱を忘れるはずがない。
D1昇格にチームを導いたとしても、来年の花園Lに彼らの姿はない。それでも、クーパーは力強く言い切った。
「人生を生きる上で、次の場所に移るときには、いい場所にしてそこを去りたい。自分たちはここ(花園L)からいなくなりますが、昇格を成し遂げて去っていけたらいい」
花園Lの歴史に名を刻んだ名手二人が見せる”花園ラストダンス”。ラグビーというスポーツの真骨頂を見せてくれるはずだ。
(下薗昌記)