2025.05.22[SA広島]成長を実感したレギュラーシーズン。そこで得た自信を武器に、昇格を懸けて戦う

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第1戦
2025年5月24日(土)12:00 いわぎんスタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs マツダスカイアクティブズ広島


マツダスカイアクティブズ広島(D3)

マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ。「プレシーズンにチームのプレースタイルを決めてからここまで本当にみんなで成長してきたと思います」

今季にダミアン・カラウナ ヘッドコーチが就任して新体制となったマツダスカイアクティブズ広島は、一つの目標だったディビジョン3の優勝を果たした自信をもって、もう一つの目標となるD2昇格に挑戦する。

ここまでチームが歩んできた道のりに、カラウナ ヘッドコーチも確かな手ごたえをつかんでいる。

「本当にチームは成長しました。チームをマネジメントする立場の人も、選手たち一人ひとりも、私のやろうとしていることを受け入れてくれ、プレシーズンにチームのプレースタイルを決めてからここまで本当にみんなで成長してきたと思います」

ニュージーランド出身の指導者が特に強調してきたのは、新しい文化を作ることだ。

「いまも継続中ですけど、本音が言える文化を作っているところです。私も選手が求めるスタンダードをやっていなければ注意しますし、選手同士もお互いに高いスタンダードを保てるように頑張っています」

キャプテンを務めてきた芦田朋輝もチームの成長を実感しているからこそ、やってきたことに自信をもって盛岡へ乗り込んでいく。

「バンバン(カラウナ ヘッドコーチの愛称)がチームの文化から作ってくれて、チームが一つになって成長できていることを自分もすごく感じています。入替戦でも自分たちが15節やってきたことのベースをまずしっかりやっていきたい。ディフェンスで相手を抑えて、自分たちのアタックを細かいところまでやり切った上で得点を取っていく。それがいまの自分たちの形だと思っています」

規律を守ること。ディティールにこだわること。プレシーズンから変わらず求めてきたことを入替戦に向けた一週間でも求めてきたカラウナ ヘッドコーチは静かに言った。

「いよいよ入替戦が来ました。日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)はすごくいいチームなので、釜石SWが何をやって来るかも考えるべきだと思いますが、まず自分たちのことを考えたい。シンプルにセットピースとディフェンスで圧倒したいと思っています」

成長してきた自分たちに自信をもって、SA広島はD2昇格を懸けた戦いに臨んでいく。

(寺田弘幸)

2025.05.22[釜石SW]指導者として、守る立場で迎える入替戦。戦友への花道を飾るため、「自分たちにフォーカスする」

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第1戦
2025年5月24日(土)12:00 いわぎんスタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs マツダスカイアクティブズ広島


日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

日本製鉄釜石シーウェイブスのオツコロ カトニ アシスタントコーチ。「一番大事なのは自分たちにフォーカスすること」
(写真提供:日本製鉄釜石シーウェイブス)

ディビジョン2で8位に終わり、今週末からのD2/D3入替戦に臨む日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)。その第1戦は5月24日、いわぎんスタジアムにマツダスカイアクティブズ広島を迎えてのホストゲームとなる。

釜石SWがもつ、土壇場での力強さ。それを対戦相手としての視点から知る人物がいる。それがオツコロ カトニ アシスタントコーチだ。オツコロ コーチは長年日本でプレーし、日本代表で3キャップを記録した選手であり指導者。一昨季、そして昨季はD3に所属するクリタウォーターガッシュ昭島のコーチとして釜石SWとのD2/D3入替戦で対戦し、計4試合の結果は釜石SWの3勝1分けだった。

「釜石SWは一体感があって、強いチームという印象。それはいまだけではなく、これまでずっとそうです」

この一体感は今季の戦いでさらに醸成された。そしてそこには「ファミリーの家」(オツコロ コーチ)と形容するクラブハウスの新設も大きな役割を果たし、チーム力はさらに高まりを見せている。

オツコロ コーチにとって今季のD2/D3入替戦は、昨季までの昇格をつかみ取りにいく立場から、残留を死守する立場に変わった。考え方や準備の違いを問うと、次のような答えが返ってきた。

「一番大事なのは自分たちにフォーカスすること。もちろん相手の分析もしますが、入替戦では相手が分析どおりの戦い方をするとは限りません」

裏を返せば、釜石SWのラグビーをやり切れば、結果は必ず付いてくるという自負の表れでもある。さらにフィジカルの差についても言及する。

「入替戦はディビジョンが違うチーム同士が対戦しますが、そこには決定的な違いがあります。それはフィジカリティーの差。そこも生かしながら80分をとおして、特に立ち上がりの時間帯に相手に何もさせないくらいの勢いと圧力をぶつけることが、勝利のために大切になってきます」

須田康夫ヘッドコーチも今季の収穫に「上位相手にも十分に通用したフィジカリティー」を挙げていた。レギュラーシーズンで勝利し続けてきた相手の勢いを、釜石SW強みであるフィジカルで折り、まずはホストゲームでの先勝を目指す。

また、オツコロ コーチにとっては旧知の仲である須田ヘッドコーチが今季限りで退任する。「高校代表チームでともにプレーしましたし、選手のときはバチバチにやり合っていた」という関係性。釜石SWでの共闘は1シーズンという短い期間だったが、戦友への花道を作るためにも残り2試合、リーグワン初年度から続くD2の座を死守するためにすべてをチームに注ぐ。

(髙橋拓磨)

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