2025.12.12[三重H]悔しさは勝利への渇望の表れ。アルゼンチンの生きるレジェンドが感じたチームの変化

NTTジャパンラグビー リーグワン 2025-26
ディビジョン1 第1節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年12月13日(土)14:30 豊田スタジアム (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 三重ホンダヒート

三重ホンダヒート(D1)

三重ホンダヒートのパブロ・マテーラ選手。「HEATER(ファンの呼称)のみなさんにお会いできることを楽しみにしています」

「よろしくお願いします」

日本語で挨拶しながら扉を開けたのは、三重ホンダヒート(以下、三重H)で4年目のシーズンを迎えるパブロ・マテーラ。傍らには愛する二人の息子。取材後に家族での予定があるそうだ。

「代表で遠征をするときは、世界中を飛び回りながらホテル暮らしです。鈴鹿に戻ると家に帰ったように感じます。家族と一緒に過ごせて安心します」と、彼はチームに合流した感想を述べた。

去る7月にアルゼンチン代表の史上最多キャップ数を更新したマテーラ。国際試合の日程を終えて、三重Hに合流できたのは12月3日のこと。彼が不在の間にチームは新戦力を迎え入れ、練習を重ねてきた。

「どんな変化を感じますか?」と尋ねると、彼は「先週の金曜日、横浜キヤノンイーグルスさんとの練習試合を見ました。惜敗したあとに全員が悔しさを露わにしていた点が印象的でした。『勝ちを切望しているチーム』であることをとてもうれしく思いました」と、選手の態度に感銘を受けたことを明かした。

また、今季の注目点の一つが、ワイマナ・カパがキャプテンに就任したこと。クラブ史上初の外国籍キャプテンについて、マテーラは以下のように評する。

「指名されたことを誇りに感じてほしいです。ハードワークを厭わない選手ですし、常にベストを尽くして周りをサポートする気持ちを持っています。ラグビーへの理解も素晴らしいですし、規律高く献身的。彼はとても良いキャプテンになると思います」

そう話していた途中に、彼のひざに乗っていた息子が床に降り、父親の周りをトボトボ歩き回り始めた。そろそろ締めにするべきだなと「最後に開幕戦への意気込みを」と尋ねる。

「リスクを厭わないエキサイティングなラグビーと勇敢な姿勢を見ていただきたいです。今季は鈴鹿での試合が少ないので、たくさんの方々に来てほしいです。開幕戦も近い場所で開催されるので、HEATER(ファンの呼称)のみなさんにお会いできることを楽しみにしています」と、トヨタヴェルブリッツ戦(以下、トヨタV)ではゲームキャプテンを務めるマテーラ。

家族とチームとファンをこよなく愛する彼の、鈴鹿でのラストシーズンがついに始まる。トヨタVと相対する開幕戦は、13日の14時30分に豊田スタジアムでキックオフだ。

(籠信明)

2025.12.12[トヨタV]ラグビーどころではない大けがからの復活劇。“トヨタのクラウン”、松田力也が再び走り出す

NTTジャパンラグビー リーグワン 2025-26
ディビジョン1 第1節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年12月13日(土)14:30 豊田スタジアム (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 三重ホンダヒート

トヨタヴェルブリッツ(D1)

「自分でも普通に立っていることというか、プレーしているのが不思議なくらい、なかなかの大けが」から、松田力也選手が還ってきた

トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)の“クラウン”が不死鳥のごとく蘇る。

キック前の恐竜ポーズでお馴染みの、日本を代表する司令塔の一人として知られる松田力也。昨季の第9節・コベルコ神戸スティーラーズ戦で相手と激しく激突し、そのまま負傷交代。それは人々の想像をはるかに超える大けがだった。

診断結果は骨盤と股関節の骨折。かなり衝撃の強い交通事故でなければ起こりえない重傷だったという。すぐに股関節を本来の位置に戻さないと患部が壊死してしまい、ラグビーどころか普段の生活さえ不自由になる可能性が大きかった。

トヨタVに加入して1年目で見舞われた悪夢。しかし、この瞬間からの松田は強運だった。緊急搬送された大阪の病院には股関節の専門医が在籍。すぐに股関節をハメてもらえたことで危機一髪、最悪の事態は避けられた。

入院期間は50日を数え、2週間は完全にベッドの上。全治1年と想定されたが、ドクター、トレーナー、リハビリチームのサポートは手厚かった。ただ、誰が今季の開幕で10番を付けて先発することを想像できただろう。

「自分でも普通に立っていることというか、プレーしているのが不思議なくらい、なかなかの大けがでした。本当に、普通に生活できることにすごく感謝していますし、たくさんのサポートやファンの励ましがあったので帰ってくることができたと思っています。あとはグラウンドのパフォーマンスで恩返ししていくだけですね」(松田)

帝京大学の同期で盟友でもあるキャプテンの姫野和樹も松田を支え続けてきた一人である。「去年、僕もけがをしていて、彼を間近で見ていましたけど、本当に並々ならぬ努力をしていました。『開幕に間に合わせたい』と話していましたけど、ラグビーの感覚もしっかり戻してくれた。本当に同期として誇らしく思っています」(姫野)

「もう恐怖心はないですけど、フラッシュバックはあります。でも後遺症もなくいい感じでステップを踏んできたので、あとは自分を信じてやり切れるかどうかだと思います」(松田)

トヨタVのジャージーの背中にはトヨタの自動車の車名が書かれている。松田が着る10番の上にあるのは“クラウン“。それはトヨタの看板である。

(斎藤孝一)

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