2025.12.18[トヨタV]突然の4番でも関係なし。どの試合でもどのポジションでもデュトイは全力を尽くすだけ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第2節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年12月20日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1)

トヨタヴェルブリッツのピーターステフ・デュトイ選手。「白線を越えたら自分自身の全力を出し切る」

開幕戦の48時間前。メンバー発表直前にちょっとしたアクシデントがあった。その日の練習で負傷者が出て首脳陣は23人を再考。その中で1週間前に南アフリカ代表から合流したばかりのピーターステフ・デュトイが急きょスタメン入りとなった。しかも普段やり慣れているフランカーではなく、ロックのポジションでの出場である。

イアン・フォスター共同コーチは「もちろん彼の最も得意なポジションではないですけど、彼ならできると100%の確信がありました」と、デュトイの経験値やゲームIQの高さを買っての起用だったという。そして、その信頼にしっかり応え背番号4でもチームの勝利に貢献した。

デュトイは2019年と2024年にワールドラグビーの年間最優秀選手賞を受賞している世界トップの選手。もちろん、フランカーというポジションに誇りをもっているだろう。それでも「一番大切なのはチームに貢献すること」とロックでの出場を快諾した。プレーをしていく中で、“ロックとしてどういうプレーをすればいいのか”と考え、スクラムの中での細かな動きの違いを修正していったという。

逆を言えば、トヨタVのフランカー陣は充実したメンバーがそろっているということでもある。前節、奥井章仁は負傷でピッチを退いたが、キャプテン・姫野和樹を筆頭に、青木恵斗、三木晧正、ウィリアム・トゥポウ、アイザイア・マプスアなど多士済々。スティーブ・ハンセン ヘッドコーチも「チーム内競争が激しくて誰を使おうか頭を悩ませている」とうれしい悲鳴を上げるほどだ。

デュトイは言う。「まず、僕はチームを代表してプレーすること自体が光栄なことだと考えています。白線を越えたら自分自身の全力を出し切ること。年齢を重ねると今までできていたことができなくなったりしますけど、じゃあそのときに自分が何なら一番になれるのか。それを考えてチームに尽くしたい。それこそが自分の強みだと思っています」。

世界一になってもおごらずに少年のときのように全力でプレーをするデュトイ。その姿は南アフリカ代表の試合でもトヨタVでの試合でもブレることはない。

(斎藤孝一)

2025.12.18[東京SG]竹内柊平、世界一のタイトヘッドプロップになるために

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第2節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年12月20日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs トヨタヴェルブリッツ

東京サントリーサンゴリアス(D1)

手刀を切るようなルーティンでスクラムを組みに入る、東京サントリーサンゴリアスの竹内柊平選手

「世界一のタイトヘッド(右プロップ)になるため、サンゴリアスにやってきました」

今季の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)で“目玉の補強”といえば、浦安D-Rocksから移籍してきた日本代表・竹内柊平、28歳。12月20日、味の素スタジアムでのトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)戦で、満を持してのホストゲームデビューを果たす。

いまや日本代表でもスクラムの柱に成長した竹内が「世界一のタイトヘッド」を目指し、新天地を東京SGにした理由とは?

「世界一になるため、とにかく厳しい環境に身を置きたかった。そのためには、優勝できるチーム、そしてリーダーシップがあり、経験豊富な選手がたくさんいる環境で経験を積み、リーダーシップの強いカルチャーを学びたかった。サンゴリアスにはタイトヘッドのポジションにいい選手ばかりいて、ここでチーム内競争できることがまずは魅力的。競争して自分のレベルを上げることで、自分がもっと強くなれると期待しています」

移籍決定後もずっと日本代表活動に従事していたため、チームに合流できたのは開幕のわずか10日ほど前。その短い期間でもすでに学びは多いという。

「普段はものすごく仲がいいのに、練習になるともうバチバチ。全員が『勝利』という一つの目標に向かっていて、とにかく練習からハードです。そして、経験値とリーダーシップのある人がたくさんいて、そのリーダー陣のフォロワーシップというか、周囲への気配りもすごい。日々、学ぶべきことばかりです」

迎えた前節の開幕戦。チーム合流直後にもかかわらずスタメンに選ばれた竹内は、得意のスクラムでチームをけん引。開幕戦勝利に貢献した。

「実はものすごく緊張していたので、勝ったうれしさ半分と、ホッとした気持ちも半分。スクラムもタイミングが合わず、何度か返されてしまった部分もあったので、もっとチームとアジャストできたら、もっとタイミングが合って良くなっていく自信があります」

今節の相手は重戦車フォワード陣を擁するトヨタV。竹内の真価が問われる舞台となる。

「とにかく、成長への意識を止めないこと。満足してしまったら衰退してしまうので、絶対現状に満足しない。ガンガン鍛えて、ガンガン走って、自分が一番トレーニングする。このチームで日本一になることが、誰が見てもいいタイトヘッドであることの証明になるはずですから」

(オグマナオト)

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