2025.12.26[相模原DB]「オールブラックスになる」。“逆輸入”スタンドオフが夢見る、彼にしか描けない物語

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第3節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月28日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)

長年ニュージーランドでプレーし、実績を積み上げてきた三宅駿選手

単身ニュージーランドへ渡ってから約9年。異色のキャリアを歩んできた“逆輸入”スタンドオフ、三宅駿がついに今季、リーグワンの舞台に立った。

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)に今季から加入した三宅は、日本生まれながら若くして海外へ渡ったユニークな経歴の持ち主だ。ニュージーランドの高校・大学で腕を磨き、スーパーラグビー・パシフィックへの登竜門である州代表選手権でプレー。今年の10月には名門カンタベリーの一員として決勝戦に途中出場した。

その実力を示すのが、オールブラックスの選抜資格を維持するために、U20日本代表などの招集をあえて辞退してきたという事実だ。170cm/88kgと小柄ながらも、ラグビー王国で培った経験と胆力が彼の最大の武器である。

その非凡さは、早くもリーグワン開幕戦で証明された。浦安D-Rocks戦の前半29分、三宅は左から右へ位置を変えてパスを受けると、すぐさま展開し、トライを演出した。三宅はこう振り返る。

「当初のプランではラックの左側にいる予定でした。二人目のキャリーの際、相手のタックルがハイタックルに見えました。レフリーがアドバンテージを出すと思い、スペースも見えたので動きました。あれは自分の判断です。結果的にすごくいいトライになりました」

一瞬の判断で好機を逃さない嗅覚は、まさに実戦で磨かれたものだ。

ハーフ団としてコンビを組むスクラムハーフの岩村昂太は「若いが、向こうでしっかりと経験を積んできたことが分かる。タッチキックで恐れずに攻める姿勢や、判断の速さに『肝が据わった10番』だと感じます」と称賛する。

オールブラックスへの道筋をも視野に入れながら、三菱重工相模原ダイナボアーズでプレーする

彼の視線は常に『その先』を見据えている。現在、ニュージーランドの永住権取得プロセスを継続中で、年間184日以上の滞在が必要となる。そのため、リーグのバイウィークを利用して一時帰国するなど、過密日程を承知でこの道を選んだ。

「永住権の話を含め、僕のスケジュールにチームが柔軟に合わせてくれました。日本にいる家族にプレーを見せたいという思いもあり、ここで戦うことを決めました」

かつて「オールブラックスになる」と誓った少年は、来る12月28日、強豪・埼玉パナソニックワイルドナイツとの一戦の日、24歳の誕生日を迎える。

「夢は持ち続けていますが、焦っていません。まずはリーグワンで自分がどれだけ通用するか。他人と比べるのではなく、自分のやるべきことをやってチームに貢献したい」

バースデーマッチとなる大一番。若き司令塔は、日本で、そして南半球で、自らのラグビー道を描いていく。

(宮本隆介)

2025.12.26[埼玉WK]苦悩の末に立つスタートライン。5年間のすべてを注ぐ初キャップへ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第3節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月28日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)

埼玉パナソニックワイルドナイツの本堂杏虎(ほんどうあとら)選手

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)のスクラムハーフである本堂杏虎が、入団5年目にして待望の初キャップを迎える。

2歳からラグビーに親しみ、U20日本代表にも選出されるなど学生時代は順調に階段を上ってきた本堂にとって、埼玉WKへの加入は、夢への最短距離であるはずだった。

だが、現実は甘くない。

「戦術やサインの細かさについていけませんでした」

自らの感覚でプレーするラグビーから、組織として遂行するラグビーへの転換。ミスが続く毎日に、夜も眠れなくなった。

「朝5時に起きなきゃいけないのに、夜中の3時まで眠れなかったこともありました。時計の針の音が、妙に大きく聞こえてしまっていた時期でした」

気持ちの浮き沈みを抱える中で支えとなったのが、家族の存在だった。入団2年目に結婚し、家に帰ればラグビーから一度距離を置ける環境が生まれた。「妻も、よく話を聞いてくれました」と感謝を口にする。

もう一人、大きな存在がいる。パラリンピアンとして世界を舞台に戦う姉の本堂杏実さんだ。

「なるようになるから大丈夫」。パラアルペンスキープレーヤーとして平昌、北京とパラリンピックに出場してきたトップアスリートだからこそ、同じ視座で投げかけてもらえる言葉があった。その言葉が、本堂の肩の力を抜いた。結果を急がず、自分を責めすぎない。そうやって、少しずつ前を向けるようになった。

「頑張り過ぎなくていい」

家族との会話をとおして、本堂は“戦う準備”の仕方を学び直した。与えられた役割を全うすること。その積み重ねが、5年目にしてようやく巡ってきたチャンスへとつながった。

メンバー入りを伝えられたのは、週最初の練習が行われた火曜日。ラグビーの道に導いてくれた父に、そしてラグビーを教えてくれた父に、まずは報告したいと微笑んだ。

リザーブとして待望のメンバー入りとなった

「選ばれたからには、チームを勝たせます」。ディフェンスでは体を張り、アタックでは「バンバンさばいて」テンポを生み出す。フランカーに憧れた少年時代から変わらない“前に出る姿勢”を、スクラムハーフとして表現するつもりだ。

「勝ち切ることが、僕に課されたミッションです」

スクラムハーフだけでなく、センターやウイングもこなす万能さ。リザーブとして求められる役割を、与えられたポジションで全うする覚悟がある。

長い遠回りの先に立つ、スタートライン。苦難を乗り越えた5年間のすべてを、リーグワン初のグラウンドに注ぎ込む。

(原田友莉子)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

ページトップに戻る

Teams

DIVISION 1

  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 三重ホンダヒート
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • リコーブラックラムズ東京

DIVISION 2

  • グリーンロケッツ東葛
  • 九州電力キューデンヴォルテクス
  • 清水建設江東ブルーシャークス
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • 日本製鉄釜石シーウェイブス
  • 花園近鉄ライナーズ
  • 日野レッドドルフィンズ
  • レッドハリケーンズ大阪

DIVISION 3

  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 狭山セコムラガッツ
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • スカイアクティブズ広島
  • ヤクルトレビンズ戸田
  • ルリーロ福岡
ページトップに戻る