2026.01.09[S東京ベイ]「気づいたら、そこにあった」50キャップ。ハラトア・ヴァイレアはこれからも淡々と

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月11日(日)12:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのハラトア・ヴァイレア選手。「ウイングでもセンターでも、自分の強みであるハイボール、コンタクトを生かすだけ」

母国のトンガを離れて日本にやってきたのは15歳のとき。日本体育大学柏高校卒業後は日本体育大学に進み、2022年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団。リーグワンでの出場試合数は、次の三重ホンダヒート戦でちょうど50を数える。ここまでの道のりを、ハラトア・ヴァイレアは「とても短かった」と語る。

「いつ50キャップを取れるかを意識していたわけじゃなくて、ただ試合を続けてきただけです。気づいたら、そこに50キャップがありました」

肌感覚として短く感じられたのは、おそらくフィールドの内外で濃い時間を過ごしてきたからだろう。その濃度は、この2年ほどでさらに高まっている。

それまではセンターで起用されることが多かったものの、昨季はウイングとして覚醒。バズーカ砲のような飛距離を誇るゴールキックも冴えわたり、主力のポジションを確固たるものとした。

しかし、ヴァイレアは「ウイングでもセンターでも、自分の強みであるハイボール、コンタクトを生かすだけ」と静かに語る。昨季の経験を、無理に意味づけしようとはしない。

昨年は日本代表に初招集された。高校時代から桜のジャージーには漠然とした憧れを抱いていたものの、「呼ばれたこと」で満足するつもりはなかった。JAPAN XVとして出場したマオリ・オールブラックス戦では大敗を喫し、悔しさが残った。その経験を受け、フィジカルとワークレートの修正にフォーカス。続く日本代表初キャップとなったウェールズ代表戦では、逆転トライを決めた。悔しさが次の一歩につながった、とヴァイレアは振り返る。

こうした出来事を、彼は“物語”として語らない。ポジション遍歴を自身の成長物語に変換することもない。こちらが「代表活動で得たものは?」と尋ねると、彼は「うーん……」と少し考え込み、言葉を探すような間を置いた。

ヴァイレア自身が口にしていない意味を、第三者が美談として強引に足してしまえば、おそらくそこには本人の感覚とのズレが生じる。昨季の覚醒も、日本代表での時間も、それらは“転機”ではなく、淡々と積み重ねてきた歩みの延長線上にある。

今季は開幕からセンターとして出場。「ウイングで活躍したことで、いまのセンターに生かされていることはありますか?」と問うと、彼は「ないです」と苦笑して、「いつもどおり、やるだけ」と答えた。

ただ、「いつもどおり」ではないことが、一つだけある。それは、応援してくれる人たちが増えたこと。ヴァイレアが日本で戦い続ける理由の一つに、母国トンガの家族の存在がある。日本代表で初キャップを獲得したときも、家族は喜んでくれたという。この日本で声援を送ってくれるオレンジアーミーも、彼にとっては家族に近い存在だ。

「応援してくれる人たちの存在も、自分の力になっています。家族のため、そして応援してくれる人たちのために頑張りたい。声援を送ってくれる人たちを家族みたいに大事にしないと、自分のパフォーマンスも良くならないと思っています」

物語を盛らず、意味づけもし過ぎず、それでも確かに積み上がっている。その途中に、50キャップがある。

(藤本かずまさ)

2026.01.09[三重H]先輩も認めるポテンシャル。日本代表を目指す伸び盛りの24歳が、初勝利をもたらす

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月11日(日)12:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

三重ホンダヒート(D1)

三重ホンダヒートの岡野喬吾選手。日本代表入りも期待。

「『蹴ってくれるだろう』と思って走り続けました。信じて良かったです」

三重ホンダヒート(以下、三重H)の岡野喬吾は、前節・リコーブラックラムズ東京戦の前半終了間際の場面をそう振り返った。スクラムからチャンスを迎えたその場面、岡野が左にパスをつなぎ、ライン際で仕掛けた山下楽平が左足でキック。それを再び岡野がつかみ、トライエリアへ飛び込んだ。鮮やかなコンビネーションだった。

開幕戦を終えたあと、岡野は新たなバックス陣について「楽平さんが逐一指示をしてくれるのでやりやすい」とコメント。それを聞いた山下は「そこは意識しています。伝わっているならうれしいです」と応じ、「岡野は日本代表に入れるポテンシャルがありますよ」と高く評価した。ホットラインが生まれたのは偶然ではなく、互いの信頼の結果なのだろう。

「自然だったので、意識していることにはまったく気づかなかったですけど(笑)」と岡野は笑う。さらに「サインプレーの細かい動きでも、『ここどう思う?』『こういうのはどう?』と、話し合いの切り口を作ってくれるんです。日本語なので指示にも自然に反応できますしね」と、山下の絶妙な対話術に感謝を示した。

そう語る岡野は、昨年6月に日本代表候補合宿(15人制男子トレーニングスコッド菅平合宿)へ招集され、JAPANのジャージーを身に着けた。

そして前節の直前には、日本ラグビーの強化拠点であるJAPAN BASEを訪れ、桜のエンブレムが施された施設でトレーニングを行った。

「近づいている感覚は得ましたか?」と尋ねると、岡野は「まだ『うわぁ、JAPANや……』という感じですね」とはにかむ。「あの日は風も強くて、寒さばかりが気になってしまいました。でも練習はより楽しく感じましたし、またあのエンブレムを身に着けたいなと思いました」と続ける。あらためて気持ちは昂ったようだ。

そして岡野は、「残り少ない鈴鹿でのホストゲームで、ファンのみなさんに初白星をお届けできたらと思います。応援よろしくお願いします」とインタビューを締めくくり、11日に迫るクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦での勝利を誓った。

信頼でつながるバックスのコンビネーションと、JAPANへの思い。いままさに伸び盛りの岡野は、三重Hに今季初勝利をもたらすことができるだろうか。

(籠信明)

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