2026.01.16[S東京ベイ]「まだまだ」と口にできるのは強さ。足りないものを見据えて自分を向き合う日々

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第5節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月17日(土)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs トヨタヴェルブリッツ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイの福田陸人選手

確かな手ごたえはある。しかし、福田陸人はそれを“自信”とは名付けない。

1月17日、スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)での今季最初のホストゲームとなるトヨタヴェルブリッツ戦。福田はそこで、公式戦では約2年ぶりに2番を背負う。

明治大学時代はフランカーで活躍。フッカーへのポジション転向を目指したのは、2022年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団して以降のことだ。けがの影響もあり、初キャップ獲得までには2年もの時間を要した。

昨季までの公式戦出場数は4試合。今季は開幕戦から16番でベンチ入りし、あのマルコム・マークスと入れ替わる形で、後半途中からピッチに立った。開幕戦は後半37分のタイミングで入れ替え。そこで試されたのが、公式戦に出られない時間の中で培ってきた、限られた時間で爪あとを残すマインドだった。

「(公式戦に出られなかった時期は)アピールできる場面が練習や練習試合に限られていました。だからこそ、いかに練習を本気でやるか、試合に出たときにどれだけ自分と向き合い、フォーカスできるかを常に意識していました。出場したら、目の前で誰かが倒れたらすぐにボールに絡みにいく。とにかくトライに関係するプレーをしたい、その思いはずっと持っていました」

オフシーズンはラインアウトスローの精度の向上に注力。選手育成を目的とする新大会リーグワンライジングでは、ボールキャリー時の止まってしまう癖が課題として浮き彫りになり、その修正にも取り組んだ。

フッカーにとってラインアウトでのスローインも重要な役割だ

そして迎えたシーズン開幕。福田は限られた時間の中でスティールやボールキャリーで爪あとを残し、開幕戦で3分強だったプレータイムも、試合を重ねるごとに徐々に伸びていった。なかでもスティールは、フランカー時代に磨いてきた強みだ。股関節の柔らかさを生かした低いプレーは、福田の大きな武器でもある。フランカーからフッカーへとコンバートされて以降、時間は掛かったものの、そのプレーは輪郭を帯びつつある。

「タックルとスティールの部分は、やっていてすごく感じます。役に立っているというか、ボールへの執着心や判断の部分は、フランカーをやっていたときの経験が生きているなと感じます」

次は久しぶりの先発出場。しかし、本人には「そのポジションをつかみ取った」という感覚は薄い。「選ばれた」という実感はあっても、マークス以上の動きができるのかという基準で自分を見つめれば、手放しでは喜べない現実もある。足りないものを見据える目が、自分に酔わないためのブレーキを掛けている。

「与えられた責任を全うできるか。セットピースの安定というところを見せつけられるか。マルコムと代わっても遜色ないって思われるぐらいのプレーはしたいです。ハードワークをして、体を張っていきたいと思っています」

母校・明治大学の7年ぶりの大学選手権優勝は、素直にうれしく感じる出来事であり、同時に大きな刺激にもなった。試合でも、評価が伴ってきている感触はある。けれど、それを拠りどころにはしない。「まだまだ」という言葉を口にできるのも、福田の強さである。

(藤本かずまさ)

2026.01.16[トヨタV]古巣戦で示したい2番への誇り。“トヨタらしさ”を体現して、巻き返しを

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第5節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年1月17日(土)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1)

トヨタヴェルブリッツのスカルク・エラスマス選手。フッカーとして前節に続いての先発出場となる

「相手はもちろん友人がたくさんいるチーム。中でもリカス・プレトリアスは僕にとってベストフレンドなので、タックルで彼を圧倒したいと思っています(笑)」

古巣との対戦を楽しみにしているのはフッカーのスカルク・エラスマス。南アフリカ出身で2022年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に加入。今季からトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)でプレーしている。

「トヨタ自動車は世界有数の企業で、ラグビーの面でも長い歴史をもっています。このチームのジャージーを着てプレーすることは非常に光栄だと思っていますし、できればこの2番のジャージーを長く着続けたいです」とエラスマスは力を込める。

3年間在籍したS東京ベイでは思っていた以上に出場時間を得ることができなかった。同じポジションにマルコム・マークスという世界最高のフッカーがいたからだ。絶対的な存在の壁はとてつもなく厚かった。

「マルコムからは本当にいろいろなことを学びました。決して言葉数が多いわけではなかったですけど、行動でチームをリードする。プレーや練習する姿から有言実行することの重要性を学びました」と、エラスマスは同郷の先輩との3年間を振り返る。ただ、「マルコムとの対戦は楽しみですけど、あくまで彼とではなくS東京ベイという強敵との対戦です。僕たちはいい準備をする必要があると思います」と、このときばかりは優しい眼が厳しく光った。

トヨタVは今季フィジカルとパワーを前面に押し出す“トヨタらしさ”をテーマに掲げ古豪復活を目指している。その中でフッカーはスクラムの最前列に入り、“トヨタらしさ”を最も体現しなければならないポジションであり、ラインアウトでもスローワーとして重要な役目を担っている。現在チームは3連敗中だが、イアン・フォスター共同コーチが「何かきっかけをつかめたらどんどん勝っていけるという感触はある」と言うように手ごたえは感じている様子。エラスマスの古巣での学びが何かのきっかけにつながれば、チームはまだ巻き返せる。

(斎藤孝一)

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